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経営行動科学学会第3回国際学術講演会は、2009年1 月14日(水)16:30~18:00、東京工業大学大岡山キャ ンパス西8E 棟(情報理工学研究科棟)1001会議室で開 催された。 テーマは、昨今の経済危機のもとでの IHRM で、EU の視点からChris Brewster先生(University of Reading, UK)に、また、日本の状況をコンサルタントのお立場か ら山本紳也先生(プライスウォーターハウスクーパー ス・筑波大学)にご講演頂いた。座長は渡辺真一郎先生 (筑波大学)にお願いし、企画と総合司会を筆者江川が 担当させて頂いた。開催にあたり、顧問の星野靖雄先生 (愛知大学)と会員の永井裕久先生(筑波大学)には格 段のご配慮をいただいた。 講演会では、まず会長の松原敏浩先生(愛知学院大 学)に開会挨拶をいただき、続いて筆者から講師・座長 の先生方を簡単にご紹介させていただいた。 Brewster 先生は、経費削減が向こう数年の主要な焦 点であるならば、財務スペシャリストの力が強まる一方 で人事部門は縮小され、その業務はラインマネジャーに 移されていくと推論された。現時点では推測の域を出な いことが多い中で、Brewster 先生が確信されることの 一つとしてトレーニングの取りやめもしくは縮小をあげ られた。また昨年のご講演テーマでもある海外派遣勤務 者に関しては、明らかに待遇が悪くなり、あらゆる代替 手段によって海外派遣勤務者の数そのものが縮小される と述べられた。 最後に先生は、数年後の景気回復をみこし戦略を熟 慮するか、単にコストに左右されるかを問うならば、い ずれの分野でもコスト主導型になりつつあることに強い 懸念を示されご講演を終えられた。 一方、コンサルタントのお立場から日本の状況をご 講演下さった山本先生の論調は、Brewster 先生とはト ーンが異なり、とりわけその違いはトレーニングなど人 材開発の継続に関してであった。部品製造の中小企業か ら大手グローバル企業に至るまで、ほとんどの日本企業 ではグローバル経営を牽引できるグローバルマネジャー やリーダーを必要としており、そのための人材開発費は 死守されると述べられた。 人事部が変わらねばならないという共通認識はある ものの、お二人の先生方の違いに着目するならば、それ がお二人の職務の違いによるものか、90年代の日本の経 験によるものか、はたまた人材観や短期・長期といった 時間観への文化の相違によるものか、十分論じ尽くすこ とはできなかったが興味が尽きない内容であった。 座長の渡辺先生の流暢な英語に導かれ、質疑応答で は経済危機下の労働組合、リーダーシップ、メンタルヘ ルスの問題まで多岐にわたる意見交換がなされた。ご講 演の詳細と質疑応答の一部を以下掲載させて頂くのでぜ ひご覧いただきたい。 最後に本講演会の開催にご協力頂いた先生方や参加 者の皆様にお礼申し上げます。

Current Topics and Prospect of International Human Resources Management: Especially Focusing on the Influences of Recent Recession