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近年,多くの大規模臨床試験やメタ解析の結果 から,動脈硬化を基盤として発症する心筋梗塞や 脳梗塞などに,低用量アスピリンを中心とした抗 血小板療法が有効であることが広く認められてい る.わが国においては,アスピリンによる抗血 小板療法が 2001 年から保険適用され,低用量ア スピリン製剤の使用が増加している.近年の高齢 者人口の増加により,低用量アスピリン療法の対 象となる患者が今後も増加すると考えられている. アスピリンの副作用として消化管傷害がよく知 られている. しかし,抗血小板療法におけるア スピリンの投与量は 1 日 75 mg~324 mg と消炎 鎮痛薬としての投与量である 1 日 1.0 g~4.5 g に 比べはるかに少量であることから,消化管傷害は, 当初あまり問題にはされていなかった.しかし, 使用患者数が増えるに従い,重篤な消化管出血な どの副作用が多数報告されるようになり問題と なってきた.この消化管傷害に対する対策として, プロトンポンプ阻害薬(PPI)や H2 遮断薬(H2RA) などの抗潰瘍薬の併用が有効であると言われてお

Study on Risk of Gastrointestinal Complications in Low-dose Aspirin Therapy Using the National Receipt Database