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幼児期の環境教育は、人格形成の基礎を培う重 要な時期の教育のひとつである。自然に対する愛 着を形成するとともに、幼児の感性を磨くうえで 幼児期の自然体験は重要である。 ごく一般的に言えば、幼児は、身近な自然に親 しむなかで、自然物である動植物や無生物に触 れ、様々な発見をする。見て楽しんだり、触れて 感じ、その性質を知ろうと、操作したりする。保 育者も幼児と共に感じ、心身を傾けて働きかけ る。 幼児は与えられて学ぶのではなく、人やあらゆ る物を主体的・能動的に探索する。それが幼児期 の特徴である(無藤 1997)。探索する生活へとい ざなう自然物との出会いは、幼児の興味や関心を 深める過程を営む。 幼児が手に触れる自然物のひとつには、砂や小 石や粘土、木の枝や根っこなどの無生物が挙げら れる。もうひとつは、人間が栽培していない草花 や樹木、雑草、そして飼育していない昆虫や鳥、 カエルやトカゲなどの動植物がある。加えて、空 気や風、池や川の水、鳥の鳴き声や木々のざわめ きや風音、においも自然物と言えるだろう。 それらの自然そのものを、身体で感じとる直接 体験は、幼児の心を開き、幼児の「きれい」「怖い」 「不思議」などといった基本的な感情である情動 を活性化させる。自然と出会う体験が、多様で豊 かで感動的であることによって、情動がますます 活性化され、幼児の直感的に判断する力を鍛える と考えられている(汐見 2012)。 では、森という自然のなかで、幼児は、どのよ うな自然物に触れるのか。どのような感覚を働か せて、どのように自然物を扱うのか。これは単純 な問いだが、それを実証的に検証するのは難し い。 しかしながら、自然物を限定すれば、触れる場 面を目視して確認することができる。また、カメ ラで撮影し客観性を高められる。つまり、自然物 を限定し、幼児がそれを手でさわる場面を切り取 るならば、限定的ではあるにせよ研究対象とな る。 普通の幼稚園や保育所で、幼児が自然物に触れ る機会はそれほど多くはないであろう。そこで、 本資料では、幼児が自然物と触れ合う機会が普通 の園よりは多いと考えらえる「森のようちえん」 (以下では括弧「」なしで表記)を対象とする。 ところで、筆者らの訪問や実践の経験によれ ば、森のようちえんで遊ぶ幼児は、目の前にある 自然物を、自由に探索する。とりわけ地面に落ち ている枝を頻繁に拾う。手で触れ、探り、抱え、 持ち上げ、枝を振り動かすなど、枝を多様に動か 資料 「森のようちえん」の幼児が触れる自然物に関する実証的研究

kankyo kyoiku/kankyō kyōiku

An Empirical Study of Natural Objects to Touching the Hands of the Children Playing in the &lt;i&gt;Mori-no-youtien&lt;/i&gt; (Waldkindergarten:Forest Kindergarten)