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C日本環境教育学会2012 環境教育 VOL. 22-1 問い合わせ先 〒300-0393 茨城県稲敷郡阿見町中央3-21-1 茨城大学農学部 坂上伸生 E-mail: sakagami@ams.kuramae.ne.jp I はじめに 環境教育の基盤となる体験的な教育として、 自然教育が挙げられる(山際 1994)。近年、環境 に対する感受性、直接体験や体感を重視する教 育への認識が高まる中で、自然体験学習に対す る要請は大きい(降旗ほか 2009)。福田(1994; 1996;1997)は、身近な自然として「土」を題材 に環境教育を実践しており、地球環境における土 の働きや役割を伝えることで、人と自然の持続可 能な関わりを考察させることを試みている。また、 ミミズやダンゴムシ、ダニ類などの土壌動物を取 り上げ、身近にあるのにあまり意識されない「土」 に目を向ける大切さを強調する例もみられる(奥 村・北野 1994;森ほか 2006 など)。しかしなが ら、土壌は学習指導要領での扱いがほとんど為さ れないことから、指導者たちにとっても自然観察 や野外観察の学習プログラムに土壌を題材にした 単元を組み込むことが難しいことが指摘されてい る(福田 2010)。 筆者らは、2010 年度の東京都科学技術週間 特別行事開催にあたり、首都大学東京からの出展 の一部として「菌核をさがせ!―森の不思議を感 じよう―」というテーマで体験型展示企画を実施 し、多くの人に自然の不思議さを伝えることを試 みた(坂上ほか 2010)。その経験を生かし、理科 教育改革を推進する私立山脇学園に於いて、主に 中学生を対象として同様の内容で特別講座を実施 する機会を得た。このプログラムを通して得られ た成果は、環境教育ならびに理科教育に資するも のであると期待できたため、ここにその概要を報 告する。 II 森林土壌から検出される菌核について

A Trial Study of a Nature Observation Program Using Sclerotia from Forest Soils