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山地や丘陵部および房総半島などの海岸部に分布が限られる (Fig.1).これらのうち,房総半島の中新統~鮮新統は,層 序の連続性から本邦の新第三系の模式セクションのひとつと いえる.また,関東山地北縁に広く分布する富岡地域の中新 統も,石灰質微化石を多産することから多くの微古生物学的 研究がなされ,年代層序学に関する情報が豊富なセクション である.とくに,最近,石灰質微化石に加え,一部の層準か ら珪藻化石が産出(須藤ほか, 2002)し,さらに複数の凝灰 岩について K-Ar 年代(柴田ほか, 1979; 高橋ほか, 1992), フィッショントラック年代(Kasuya, 1987; 野村・大平, 1998, 2002),Ar-Ar 年代(Odin et al., 1995)が測定さ れ,生層序と放射年代を合わせた研究を行う上で,極めて貴 重なセクションといえる. しかしながら,各種の年代層序学的情報が公表されている ものの,それらは異なる研究者により取得・報告されてきた ため,データ相互の層位関係に不確定さが残されている.今 後の複合年代層序学的研究を進めるために,まずこれらデー タの整理を行う必要がある.とくに,浮遊性有孔虫化石に関 する研究報告は,複数の研究者によりそれぞれ別個になされ ているため,例えば,ある浮遊性有孔虫鍵種の産出層準,初 産出,終産出の層準を決定することが困難な場合も少なくな い. このような問題を解決するために,まず浮遊性有孔虫に関 は じ め に する既存のデータを地形図を介して地質図にプロットするこ とにより,異なる研究者間の試料の層位関係を確認した.さ らに,同一の柱状図に各試料採取層準を書き込み,異なる研 究者による浮遊性有孔虫化石データを整理して,各有孔虫種 の産出層準を確定した.さらに,珪藻化石や放射年代値等の 情報を整理し,富岡地域の年代層序を確立した.

Geology and integrated chronostratigraphy of the Miocene marine sequence in the Tomioka area, Gunma Prefecture, central Japan