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建築基準法に基づき風荷重を算定する場合,風力係数 を定める必要がある。この時,単純な形状の建築物であ れば問題ないが,少し複雑な形状となると簡単ではない。 また,単純な形状の建築物でも少しだけ形状が異なる, あるいは小さな窪みや突起物が設置された時などにどの ように風荷重を算定したらよいか迷うところである。こ のようなことは今に始まったことではなく,以前からの 問題である。また,2007 年 6 月に建築基準法が改正さ れ,確認申請時に外装材等についても構造骨組とほぼ同 等の構造計算書を添付することが明記された。そのため 設計者は構造骨組と同様に外装材等に関する設計図書・ 構造計算書等を作成することが要求されることになり, 風力係数のより一層の充実が望まれることとなった。 このような状況を鑑み,国土交通省では平成 20 年度 に『建築基準整備促進補助金事業』の中で風力係数等の 充実を目的とした調査研究を開始した。予定されていた 昨年度(平成22年度)までの3年間の検討が終了し,報告 書としてまとめられた 1),2),3)。3年間の具体的な作業は委 員会形式で実施しており,メンバーは『4おわりに』に 示した。 本特集ではこれらの報告書で得られた結果を示す。た だし,一部については,平成 22 年度以降に更に検討し た結果も含む。主に風洞実験により得られた風力係数に 関するものであるが,現象の解明を主とするものではな く,風洞実験結果を現行の建築基準法の風力係数等と横 並びに比較できるものとし,設計者が利用しやすい形で 示すことを心掛けた。その際,過去の情報や今後の情報 との関連性を分かりやすくするため風洞実験やデータの 解析条件を明確に示した。

Introduction of “Improvement of Wind Force Coefficient for Designers“