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1.序論 ゴルフというスポーツにおいて飛距離は重要な要素で ある.飛 距離はインパクト時の初期条件であるボールの 初速度,回転打ち出し角度,そ れと飛翔時の揚力,抗力な どの空力特性風などの環境条件により決定される.飛 距 離を伸ばすために内部構造素材を改良しインパクト時の 反発係数を高め初速度を上げたり,ゴルフボールの表面 構造の改良により飛翔時の空力特性の改善など,様 々な 観点から飛距離を伸ばすための研究が行われている.現 在,ゴ ルフボール表面にはディンプルと呼ばれる窪みが 施されているが,こ のディンプルは飛翔時におけるボー ルの抗力低減,回 転時の揚力の増加が見込まれており, ディンプル構造の変化は空気力学的観点からの飛距離を 伸ばすための一つの要素でもある.一般に滑面球に対す るゴルフボールの非回転時,並 びに回転時に対する揚 ・ 抗力特性は著しく異なることが報告されている.従って, ゴルフボール表面のディンプル構造に対する飛翔特性を 明らかにすることはゴルフボールの設計的観点からも重 要である.こ れまで,ゴ ルフボールの特性に関する空気 力学の研究として,Bearman and Harvey(1)やSmits and Smith (2)の 実験により,実 際に使用しているボールを使用 して揚・抗力特性や回転数の減衰特性が報告されている. また,著者(3)らはこれまでに,ディンプル数を変える事で ボールの表面構造を変化させ,デ ィンプル数に対する非 回転時及び回転時における抗力特性と流れ揚の関係を明 らかにしている. 本報告では非回転時及び回転時におけるディンプル数 の違いが,流 れ場と飛翔特性にどのような影響を及ぼす かを揚 ・抗力測定,表 面圧力測定,お よび火花追跡法に よる可視化によって明らかにしている.ま た,こ れらの 結果より,飛翔シミュレーションを行い検討している.

Flying Characteristics and Flow Pattern around a ball on Dimple Structure of a Golf ball