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咀嚼時の顎および舌の運動のパタンは, 各種の 動物で食性に応じて多様であるが1) , その共通な 基本的特徴は, リズ ミカルに反復する運動である 点にある。 このため, 咀嚼運動 のリズム形成の神 経機構は, 咀嚼運動に関する本質的問題として, 多 くの研究者の興味を惹 きつけてきた課題であっ た。 サル, ネコ, ウサギ, モルモット, ラットな ど, 各種の動物の大脳皮質の特定の領域の連続電 気刺激によって, 咀嚼運動に極めて類似した顎と 舌とのリズ ミカルな協調運動が誘発されることが 知られてお り2, 3) , この皮質領域は 皮 質 咀 嚼 野 ( cortical masticatory area) と呼ぼれている。 そ して, このリズ ミカルな顎 ・舌運動は, 咀嚼運動 をコントロールする神経機構の解析において, 咀 嚼運動のモデルとして用いられてきた。 リズ ミカルな顎 ・舌運動に対応 して, 顎筋およ び舌筋の筋電図やこれ らの筋を支配する三叉神経 筋枝および舌下神経の遠心性発射には リズミカル な活動が出現するので, これらはリズ ミカルな顎 ・舌運動の指標として用いられる。動物を筋弛緩 剤で非動化すると, 皮質咀嚼野連続刺激によるリ ズ ミカルな顎 ・舌運動 も顎筋, 舌筋の筋電図活動 も消失するが, 顎筋および舌筋の支配神経には, 非動化前 と同一のリズ ミカルな遠心性群発活動が 残存する。このことは, 皮質咀嚼野刺激 に よ る 咀嚼 リズムは, リズ ミカルな顎 ・舌運動によって 顎 ・口腔 ・顔面領域が刺激されて誘発される末梢 か らの リズ ミカルな求心性インパルスが存在 しな くても形成 されること, いいかえれば, 皮質咀嚼 野刺激による咀嚼 リズムは中枢神経系に内在する 機構によって形成されることを意味している4, 5) 。 そして, 大脳皮質からのリズムを持たない連続的 入力によって活性化され, 三叉神経および舌下神 経の運動 ニューロンへのリズ ミカルな出力を形成 するニューロン群あるいはニューロン回路は, 咀 嚼 リズム発生器, 咀嚼パタン発生器などと呼ばれ

Central neuronal mechanisms responsible for pattern generation of masticatory movements.