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X線撮影において管電圧, 管電流, 照射時間および焦点―患者―フィルム問の幾何学的条件はX線写真の質に重要な影響を与える。さらに患者, 患部の厚さが画質におよぼす影響も大である。本論文は患者・患部の厚さの影響の大きさを写真コントラストを指標として検討した結果の報告である。たて, よこ20cm, 厚さ2cmのアクリル板を単位としこれを重ね合せてファントームとした。この一板にアルミニウム円柱, 直径5mm, 高さ17mm (1mm差) の7コを埋入し, ファントームの最下位において撮影し, 管電圧, ファントームの厚さ, 照射時間について検討した。アルミニウム円柱1mmと2mm, 6mmと7mmについて写真コントラストを求めた。管電流・秒と写真コントラストとの関係を管電圧・ファントームの厚さに関してグラフを得た。結果は次のとおりである。1.管電流・秒に対する写真コントラストの関係はいずれの管電圧, ファントームの厚さの場合でも凸のグラフを示した。2.写真コントラストの最大値はファントームの厚さが増すにつれ小さくなり, また最大値を得るに要する管電流・秒 (mAs) は大きくなった。3.ファントームが薄い場合凸形が険しく最大値を得るに要する管電流・秒は小さかった。4.ファントームの厚さに関係なく, 円柱の高さの差が同じであっても (たとえば1mmと2mm, 6mmと7mm) 写真コントラストの値は同じではない。

A study Influence of the Thickness of Patient and Bone with Lesion on the Photographic Contrast in the Skull Roentgenography