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そ こで,も し味刺激 によって惹起 され る生体反応 を記録 できれ ば,そ の分析 を行 な うこ とによって,味 覚 をよ り客観的,か つ他覚的 に把握で きる と考 え られ る。 そのため著者 は,成 年男子 お よび女子各10名 計20名 の正常被験者 に対 し,蒸 溜水,1/2M白 糖液,1/2M酢 酸液,1M食 塩液,1/32M塩 酸 キニーネ液 および ウ ィスキー を被験者 の舌背へ,点 滴法 によ って与 え,脳 波(EEG),呼 吸 曲線(Resp),眼 球運動(ENG),電 流 性 皮膚反射(GSR),耳 下腺 活動 電流(Parot)お よび心電 図(ECG)計6系 統 の生体反応 を ポ リグラフによ り同 時記録 し,以 下 の結論 を得 た。 女子の電流性皮膚反射 をのぞ く と,味 物質刺激が対照 の水刺激 よ り,生 体反応 をよ り明瞭 に惹起 させ た。 特 に,男 子では 白糖お よび食塩 に,女 子で は,キ ニーネ,ウ ィスキー および酢酸 に生体反応が 出現 しやす か った。 男子 の各味物質刺激 に対す る各生体反応出現率 の平均 は, EEG(82.9%)>Parot(72.3%)>Resp(48.9%)≒GSR(46.8%)>ENG(34.2%) で あ り,女 子 のそれ は, EEG(80.4%)>Parot(67.4%)>Resp(56.5%)≒ENG(52.8%)>GSR(41.3%) で あって,各 生体反応出現率 および それ らの順位 もほぼ同傾 向であ った。 男子の各味物質刺激 に対す る各生体反応潜伏時間 の平均 は, EEG(0.5~0.6秒)<Parot(2.5秒)≒Resp(2.8秒)=ENG(2.8秒)<GSR(5.1秒) で あ り,女 子 のそれ は, EEG(0.2秒)<ENG(0.7秒)≒Resp(0.8秒)<Parot(2.2秒)<GSR(3.3秒) で あった。

A Study on Objective Gustometry Using Six Polygraphical Responses