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実装信頼性解析技術においても,Computer Aided Engineering (CAE) 技術の普及が進んでいる。例えば,は んだ接合部の熱疲労評価においては,部品と基板の熱膨張 係数によってひずみが発生するため,挙動の把握には CAEを用いた構造解析が有効な手段となる。はんだ材料 は融点が低いため,信頼性試験の温度域において塑性変形 とクリープ変形が発生する。このため,塑性特性やクリー プ特性を考慮した解析が必要となる。また,基板やアン ダーフィル材などの樹脂系材料では,弾性特性の時間依存 性(粘弾性)を示すため,これを考慮した解析が必要な場 合も生じている。このように,実装信頼性解析では複雑な 非線形挙動を伴う変形とそれに起因する破壊挙動の評価が 求められる。 CAEソフトウェアの高機能化が進んでおり,多くの市 販のソフトウェアにおいて,上記の非弾性挙動や大規模モ デルの解析が可能となっている。ユーザインターフェース なども洗練され,解析技術を専門としない技術者も容易に 解析の実施が可能となっている。反面,CAEソフトウェ アのブラックボックス化に起因したリスクが懸念されてい る 。例えば,1991年に北海のSleipner Fieldにある海上プ ラットフォームの基礎が崩壊した事例では,設計時の CAEによる応力の計算結果における大きな誤差が主要因 であることが指摘された 。崩壊した部分において不適切 な有限要素の使用により約50%応力を低く見積もってい ることが判明し,補強部材なども適切に施されないまま, 水圧によって基礎部分の壁が崩壊したものと推定されてい る。このように,計算エラーや結果の判断エラーは,製品 の設計/製造プロセスに致命的な影響をもたらす場合があ るため,計算結果の検証や妥当性についての議論が欧米で は活発になりつつある。国内でも,計算力学技術者の認定 事業や計算における品質マネジメントのガイドラインなど が発行されている。 本稿では,近年発行されている計算結果の検証や妥当性 確認に関するガイドラインなどを紹介し,電子デバイスに おける非線形CAEの現状と課題について概説する。

State-of-the-Art in Nonlinear CAE for Electronic Packaging