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1.健 康 か らみた高年齢労働者の課題 労働者健康状況調査報告(1997)を 手がか り に産業現場における高年齢労働者の特徴 をみ る。「健康管理対策で特に重点をお く労働者」 があるとした企業は全体の3割 、その労働者 が 「高年齢労働者」とした企業が最 も多く約6 割 を占め、「労働時間が長い者」や 「深夜労 働に従事する者」を大きくうわまわる。 この 割合は事業所規模が小 さいほど多い。また企 業が 「現在、健康管理対策の重点課題」とす る事項は、定期健康診断の 「完全実施」と 「事 後措置」が最 も多 く、次いで 「中高年労働者 の健康対策」である。実際、高年齢労働者ほ ど、家庭生活に関 しての大きな心配事・悩み 事として 「自分の健康に関す ること」が多く、 また普段の仕事での身体の疲れの部位 として 「身体が全体的に疲れ る」訴えが多い。 産業現場では、高年齢労働者の健康対策が 大きな課題 となってお り、職場では全身的な 疲れの対策が求められ る側面がある。 2.高 年齢労働者へ の健康 対策 の意義 高年齢労働者の健康上の問題や作業による 疲労問題は、雇用確保 ・雇用継続上の支障に もなっている。今後、高年齢者に依存する割 合がより高まるなかでは、高年齢者の心身機 能や能力に適 した職場や仕事の任務内容(職 務)を つくりだすことが、労働安全衛生 とと もに労働力確保、すなわち雇用継続を保障す るうえからも大きな課題である。 労働安全衛生活動では、20世 紀後半から、 国際的な新 しい潮流がある。健康保護から予 防重視へ転換であ り、労働者のいのちと健康 を確保するための職場環境 ・労働条件をつく りだす視点である。従来の健康診断や体力 ・ 健康づ くりなど医学的手法を活用 した領域か ら、疲労やス トレスをより緩和 した職場環境 と働 き方を設計する視点に力点を移 し変える こと、すなわち職務設計や作業改善に結びつ く経営管理や人間工学などの領域の知識 ・技 術を積極的に応用す ることが求められてい る。この動きは、高年齢労働者の健康支援に 結びつくものでもある。

The design of work systems for aging workers related to occupational heaith and safety