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1.は じめに 最近の携帯電話の普及 には 目を見張 るもの がある。その要因のひ とつ に,移 動 中にそれ をポケ ッ トなどに携帯 し他の人 といつで も連 絡が取 れるとい う利 便性 が考え られる。 した が って携帯 電話をポケ ッ トに入れ たまま 自動 車内に持ち込むケースは往 々に してあ り,最 近では運転者 自らが運転 の最 中に電話を使用 する光景 も見 られるよ うになった。 しか し運 転中の電話の使用は,同 時に2つ の情報処理 が困難 である人間にとって危険を伴 う行為 で あると予想 され る。 本研究 では,自 動車運転時の携帯 電話使用 が運転 と会話に与 える影響並びにそれ らと年 齢 の関連を定量的に明 らか にする ことを 目的 とし,独 自の運転 シミュ レータを用 いて実験 的検討 を行 った。 2.実 験方法 図1に 本研究で製作 した自動車運転 シ ミュ レータの模式図を示す1)。 運転制御 はオー ト マチ ック車を想 定 し,運 転者正面のスク リー ン(1.4×0.9m)に 走行画面を拡 大投 影す る よ うに している。この画面には単車線の道路 と前方走行車を表示 してい る。ここで道路幅 を3.6mに 設定 し,車 間距離や左右の変動量, および走行速度 などを実際に近 い形で算 出す る。前方走行車 は40~60km/hの 間でランダム に速度を変化 させ て走行す る。前方走行車 と の車間距離が100mを 超え ると,後 続車が 目前 30mの 所に割 り込む ように している。 また, 道路は左右の ゆるやかなカーブがラ ンダムに 出現するよ うに設定 してある。 被験者 には,通 常の明るさの部屋(環 境 照 度800な)の 下 で,左 右方 向に安定 した走行 でかつ車間距離を一定に保 ちなが ら運転する よう指示 し,運 転の最 中に携帯 電話を用いて 別室か ら電話をかけた話者の質 問に答えて も らう。質問内容は,2桁 の数値に対 して各桁 に1を 加算 した数値を答え る計算問題 と各被 験者個人の住所,出 身校な どの履歴を答える 想起問題の2通 りとす る。運転時間は各1分 間とす る。なお,実 験前に運転 だけの練習 を 十分に行 ってか らデータの記録を開始す る。 3.結 果 と考察 実験は普通 自動車運転免許を所持する21~ 24歳 の10名 と39~55歳 の10名(い ずれ も男子) に対 して行 った。図2に53歳 の被験者の走行 軌跡の例を示す。 これは運転 中に電話 で想起 問題に回答す る場合の結 果であ るが,左 右方

Characteristics of driving performance and conversation, and influence of aging when using a portable phone while driving