English (United Kingdom)

https://curated-unify.zendy.io/wp-json/zendy-region/v1/featured_content/oa?rat=en

https://curated-unify.zendy.io/wp-json/zendy-region/v1/highlighted_journal/

Global: Zendy Plus annual

Presents the access of premium content as premium feature

Premium Content

Presents the keyphrase highlighting as premium feature

Keyphrase Highlighting

Presents the summarisation as premium feature

Summarisation

Insights

Presents the pdf analysis as premium feature

PDF Analysis

Presents the zaia usage as premium feature

ZAIA

Global: Zendy Tools annual

Global: Zendy Free Plan

Global: Zendy Tools monthly

Global: Zendy Plus monthly

筆者らは 1995 年,5─ピリミジルアルカノール 2が不 斉自己触媒として作用し,ジイソプロピル亜鉛(i ─ Pr 2Zn)のピリミジン─5─カルバルデヒド 1へのエナンチ オ選択的付加反応で,鏡像体過剰率(ee)が向上しながら 自己と同一構造・同一絶対配置の生成物 2を与えるとい う極めて有効な不斉自己触媒反応を発見した(スキーム 2) 。さらに,約 0.00005% ee という極微小不斉の 5─ピ リミジルアルカノール 2から出発しても,生成物を次の 反応の不斉自己触媒に用いる 3回の連続的不斉自己触媒 反応により,アルカノール 2の物質量が約 63 万倍に増 殖し,かつ ee がほぼ純粋である>99.5% ee に増幅する ことを見出した 。また,5─カルバモイル─3─ピリジル アルカノール 3および 3─キノリルアルカノール 4も ee が向上する不斉自己触媒となることも明らかにした 。 本稿では,不斉自己触媒反応の発見に至った軌跡とホ モキラリティーの起源研究について述べる。筆者は 40 年間にわたり,アルキル金属試薬のアルデヒドへのエナ ンチオ選択的付加反応を研究してきた。東京大学向山光 昭教授のもとで大学院生のとき,プロリルプロリノール ( β ─ジアミノアルコール)を用いてアルデヒドに種々の アルキル金属試薬を作用させた。当時,筆者は 20 歳代 後半で,集中して反応条件を詳細かつ徹底的に精査した 結果,ジメチルエーテルとジメトキシメタン混合溶媒 (体積比 1/1)中,-123 °Cでブチルリチウムを作用させ ると,当時としては非常に高い ee でキラル生成物が得 られる反応条件を見出した 。当時の豊富な実験の裏付 けにより,アルデヒドの不斉アルキル化反応の開拓研究 に関する奥義をある程度文字通り体得できたものと,今 になって思う。また,当時からホモキラリティーの起源 に興味を抱き,研究室の雑誌会で絶対不斉合成について 紹介したこともある。その時は,自発的な絶対不斉合成 ははるかに遠い夢であり,後年になってから実際に見出 すことになるとは思っていなかった。 東京理科大学での,キラルな β ─アミノアルコールを 不斉触媒とする,ジアルキル亜鉛のアルデヒドへのエナ ンチオ選択的付加反応の研究で,ジフェニルプロリノー Scheme 1 Principle of asymmetric autocatalysis.

Trajectory of the Discovery of Asymmetric Autocatalysis and the Study on the Origin of Homochirality