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酸触媒 としての応 用 が 報 告 され,す で に1947年 には Thomas ら2)によ り酢酸エステルの加 水 分解反応が強酸 性 カチオ ン交換樹脂 (Amberlite IR-100) を用い て行 な われ,樹 脂触媒の塩酸 に対 す る相対活性 が1.0よ り大 き く,か つエステル鎖 長の増加 に伴 い増加 するとい う結果 が見出 された。その後いろいろな酸,塩 基反応 にイオ ン 交換樹脂 を利用す る研 究が急速 に進 め られ,1954年 には 本誌 その他 に優れた総説 も出 されてい る3)。さらに1962 年頃 よ り従来のゲル型構造の樹脂 とは異な り,大 きな表 面積 を有 し,非 水溶媒 に用い ることがで き,高 い触媒作 用 を示 す MR (macroreticular) 型の交換 樹 脂,た とえ ば Amberlyst 154) などが開発 され るに至 り,イ オン交 換樹 脂の酸,塩 基触媒 としての応用範囲が広 め られ,ア ル ドール縮合,ク ロ トン化,ア シロイ ン縮合,ビ ス フェ ノールAの 合成,脱 水,水 和反応,ア ル キル化な ど数 多 くの反応において,イ オン交換樹脂 が優れた触 媒作用を 示す ことが見出 されている5)。 周知 のよ うにイオ ン交換樹脂 は,橋 かけした不溶性の 高 分子,た とえばスチ レンジ ビニルベンゼ ン共重合体 な どの,マ トリックスに-SO3H,-COOHあ る い は-N+ (CH3)2(C2H4OH),-N+(CH3)3な どの 官 能基 を固定化 した,い わゆる固定化触媒の一種であ り*1,均一系 の酸, 塩 基触媒 として次 のよ うな特徴 を有 している。i)触 媒 と 反応 生成物 との分離 が容易で ある。ii)反 応 終了後,反 応 系の中和,触 媒 の再濃縮工程が省略できる。iii)繰 り 返 し使用でき連続操作 も可能で ある。iv)腐 食作 用が少 ない。v)し ば しば副生物 が少な く選択性が高い。 さら に廃棄物に対 す る規制 を厳 し くせ ざるを得な くな った今 日においては,廃 棄物処理操作 を軽減で きるとい う特徴 も重視 されてきている。 ここで は紙数 も限 られているので断片的では あるが, イオ ン交換樹脂が酸,塩 基触媒 として どのよ うな有機合 成反応 に応用 されてい るか最近 の文献 を中心 に反応別 に ま とめてみた。

Acid, Base Reactions Catalyzed by Ion Exchange Resins