English (United Kingdom)

https://curated-unify.zendy.io/wp-json/zendy-region/v1/featured_content/oa?rat=en

https://curated-unify.zendy.io/wp-json/zendy-region/v1/highlighted_journal/

Global: Zendy Plus annual

Presents the access of premium content as premium feature

Premium Content

Presents the keyphrase highlighting as premium feature

Keyphrase Highlighting

Presents the summarisation as premium feature

Summarisation

Insights

Presents the pdf analysis as premium feature

PDF Analysis

Presents the zaia usage as premium feature

ZAIA

Global: Zendy Tools annual

Global: Zendy Free Plan

Global: Zendy Tools monthly

Global: Zendy Plus monthly

1 はじめに 視覚的イメージを言葉で伝えることは,意外 にも困難である.このような場面においては,情報を網羅的 に伝えるよりも,そのイメージの特徴を的確に説明すること が重要と考えられる.そこで,本研究では効率的な情報伝達 が可能と考えられるオノマトペに注目し,多義性を含む意味 構造の解明を試みた.オノマトペは,五感で感受した情報を 表現した言葉であり[1],複数の情報を含意した豊かなイ メージを持つ言葉である.したがって,本研究では,オノマ トペと感覚モダリティの関係から,オノマトペの意味変容に 関する特徴やプロセスを解明を試みた. 2 実験1 実験1ではオノマトペと感覚モダリティの関 連性の概観のため基礎調査を行った.擬音語・擬態語4500 日本語オノマトペ辞典[2]より視覚的イメージの伝達コミュ ニケーションに頻出する200語を抽出し,モーダル(視・聴・ 嗅・味・触)との関連を7段階評定のMD(Modal Differential)法[3]で求めた.被験者は日本語の一般的 語彙力をもつ大学生58名を対象に4群に分け,共通語5語 の平均評定値の相関係数で同質性を確認した.分析方法は 関連性評定値によるマハラノビス汎距離を用いたward法 でクラスター分析を行い7つに分類した後,意味構造分析 法(Semantic Structure Analysis:以下SS分析)[4]を 用いてSSグラフを描いた. その結果,クラスター1は視覚・触覚(関連度がすべて低 い),クラスター2は触覚・視覚・聴覚(聴覚関連度はやや 低い),クラスター3は視覚・触覚(クラスター2と近似), クラスター4は視覚(視覚の関連度が高い),クラスター5 は聴覚・視覚(聴覚が上端),クラスター6は視覚・嗅覚・ 味覚・触覚(4つのモーダルで関連度が高い),クラスター 7は視覚・味覚・触覚(味覚関連度が高い)となった. 考察では「SSグラフの上端モーダルに着目し,意味を解 釈する」とし,「上端に複数のモーダルがある場合それらの 間で明確な区別がない」とし意味解釈を行った.その後,発 話データの用例を確認した結果,上端のモーダルによって各 クラスターの意味解釈が可能であることがわかった.さら に,初心者と熟達者のスキルに関して,絵柄の理解度と伝達 スキルによりオノマトペの用法が変わるとの知見を得た. 3 実験2 実験2では,デザインスキル保持者を対象に 実験1と同様の調査を実施し,比較を行った.被験者は,芸 術大学学生及び専門学校生57名であった.実験2ではクラス ター分析・SS分析共に実験1と同じ方法を用いた. その結果,SSグラフによるとクラスター1で視覚(関連度 がすべて低い),クラスター2・3は統合され触覚(触覚,視 覚の関連度が高い),クラスター4は視覚(視覚の関連度が 突出して高い),クラスター5は視覚,聴覚(等価関連),ク ラスター6は視覚(4モーダルが関連度が高い),クラスター 7は触覚(味覚の評定が高い)が上端であった. そして,実験2の考察では,実験1のSSグラフとの比較 から意味解釈の妥当性を確認した.その結果,「関連度の高 いモーダル(4.0以上)に各クラスターを特徴づけるモーダ ル由来の意味がある」「順序関連は,評定者のオノマトペの 使用シーンが反映され,説明頻度の順位が推察可能」の2 つの観点でSSグラフの意味の解釈を行うこととした. 一方,オノマトペは複数のモーダルの意味を含意し,その モーダル間で修飾・被修飾され,共感覚的表現は近感覚か ら遠感覚,遠感覚から上位概念へと通様相性の理解可能性 の方向性[5]に準じると考えられる.これらのことから,オ ノマトペは順序関連の上端と近接したモーダルへ意味拡張 し,共感覚表現の出現を予測可能であるとの知見を得た.ま た,デザインスキル保持者はモーダルへの感受性が高く,そ れは視覚的イメージの理解に支えられ,オノマトペは豊かな 伝達コミュニケーションを実現すると考えられる. 4 まとめと今後の課題 本研究では,オノマトペと感覚モ ダリティの関連構造からオノマトペの意味構造を考察した. その結果「オノマトペは複数のモーダル由来の意味を含意 し,その意味的特徴はモーダルに意味が由来する感覚的語 群と一般語彙に近い抽象的語群に大別され,さらに6種に分 類される」「オノマトペは,近接するモーダル間で通様相性 の理解可能性の方向性によって意味拡張する」「オノマトペ の適切な利用には,利用者の視覚的イメージへの理解とオノ マトペの意味的イメージを視覚情報へと転化するスキルが 求められる」ことが示唆された.そして,今後の展望として, 各クラスターの特徴を定量化する分析単位とオノマトペの イメージ可視化は重要な観点である.

The Relational Structure Analysis of Onomatopoeia with Sensory Modality for the Transfer Communication of Visual Image