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工学教育(J.of JSEE), 65‒5(2017) 1.はじめに 熊本大学では,文部科学省の採択を受けた「グローバ ルものづくり実践力の協働教育事業」の一環として,将 来のアントレプレナーやプロジェクトリーダーとなる人 材育成を目的としたトップランナー育成型の教育プログ ラムである「複合領域・新領域価値創造教育プログラム」 を開発している. このプログラムの特長は,複数の分野・技術が複合し た,或いは,新規性・革新性が高い研究・事業領域に於 いて,学生自らが産学連携環境で,主体的に企画・構想 から製品化/事業化を目標として研究開発を行うことで あり,難易度の高い環境で学生の能力向上を図ることを 狙いとしている.(図1に概念を示すが、学生が産学連携 環境で主体的に開発プロセスを進めてゆくことを示して いる) 本報では,この教育プログラムを開始してほぼ3年が 経過し,第一期の学生が教育プログラムを修了する節目 を迎えたので,これまでの教育活動を振り返ってプログ ラムの開発経緯と成果を報告する. 2.教育の目標 本教育プログラムの狙いは,将来のアントレプレナー やプロジェクトリーダーとなるトップランナー型の人材 の育成である.従って本教育プログラム修了時点での学 生の能力レベルの目標を「コンピテンシー」と「ものづ くり技術力」の両面で,企業の即戦力,さらには企業の 中核人材として活躍できるレベルに設定して具体的な目 標値を検討した. 2.1 コンピテンシー評価方法の構築 コンピテンシー評価は,多くの企業の人事評価で使わ れており,社会や企業のリーダーには非常に高いレベル のコンピテンシーが求められる. 本教育プログラムでは,コンピテンシーの公知例であ る経産省の社会人基礎力の12の要素(図2)を活用し, 要素毎の能力レベルを5段階で評価する方法を開発し導 入した. 図3に5段階評価の考え方を示す. 評点5(最高レベル)は社会や企業のリーダーとして 活躍する人のレベルとし,生涯学習に使えるように大学 生から社会人まで一貫して使える評価方法とした.

Development of Education Program to Create Products and Value in Innovative and Integrated Field