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工学教育(J.of JSEE), 62–6(2014) 1.はじめに 近年,製図教育実習において2次元CADおよび3 次元CADが多く用いられているが,製図規則の理解 度に対してCAD製図の影響がどのくらいあるのかを 調査することは必要である.このような調査研究につ いて,及川らはCADを用いた設計製図教育における教 育効果の評価について,CADで製図を行わせた 後,後日に手描きで製図試験を行わせ結果の比較を行 っている.ただし,この比較はねじ部分の製図に関し てのみの検討となっており,様々な製図規則・項目に ついての検討は行っていない.瀧本らは手描き(マニ ュアル)とCADでの製図を同じ課題について行わせて いるが,出来上がった図面品質についての比較が主 であり,製図規則の理解については検討していない. また,CADの製図教育への導入に関する研究は様々な 大学等で行われているが,CADの導入について の検討が主であり,CADを導入した場合の製図規則の 理解度等についての検討は行っていない.このように, 製図の授業でCADを導入することは多くの大学等で 行われており,導入についての報告は多いが,基礎製 図における機械製図規格の理解度について検討してい る事例は非常に少ない. そこで,基礎製図教育にCADを導入した場合,CAD で製図を行った場合と手描きで製図を行った場合を比 較して製図規則の理解度についてどのような違いがあ るかを調べる事を考えた.そして,長年継続して実施 された授業で製図方法が異なる年度を比較することに より,CAD導入の教育効果を分析し,CAD導入によ る授業の改善方法を検討して,教育効果を上げる手法 を開発することを目的とした. 具体的には,東京工業大学機械科学科2年生の前期 科目機械製図(基礎製図)の授業の受講生(毎年約60 名前後)を対象とした.この授業は,毎回初めにその 回の課題に関する内容や製図規格についての説明を行 い,その後手描きあるいは2次元CADで製図を行わせ ている.ただし,手描きとCADの2グループに分け て製図を行ったのは平成12年度の事であり,CADシス テムを導入する途中の時期でパソコンの台数がクラス 全員分なく,全員に同じ指導ができなかった時期のこ とである.また,期末テストとして授業の最終回に筆 2014 年2月 21 日受付 ※1東京工業大学大学院理工学研究科 ※2東京工業大学技術部 2 次元 CADと手描き製図による教育効果の 比較と授業改善の試み

Comparison of Educational Effects Between 2D CAD and Hand Drafting and Approach to Improvement of Teaching Method