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近年,Project-based Learning(PBL)と呼ばれるよ うなプロジェクト型の授業が増え,特に工学分野では, 創造的なものづくりを行う教育カリキュラムが多数報告 されている1).知識の詰め込みになりがちであった講義 を中心とする従来の教育に対し,持てる技術を使って新 しい製品を創造する演習は,エンジニアとして活躍する ための訓練として非常に有効と考えられる. ただし,エンジニアが身につけるべき問題解決能力 は,製品を作り上げるプロセスの中だけにあるとは限 らない.現状の調査をし,新たな技術開発のポイント を見つけ出し,その提案を明瞭に説明する能力も要求 される.また,最近の製品設計においては,顧客の要 求の多様化に伴って, 従来のようにいかに(How)安 く高品質に作るかだけではなく,何を作るのか (What),さらにはなぜそれを作るのか(Why)につ いての考えが重要性を増している2).そのため,企 画・調査活動を中心にしたプロジェクト型の授業もま た工学系の学生に必須であると考えられる. 東京都立大学(首都大学東京)工学部精密機械工学 科で行われていた創造プロジェクトの授業は,学部2 年生前期の半期1コマの授業時間である.この授業で は,まず大枠のテーマが与えられ,受講生は与えられ た課題に対しチーム単位で調査を進め,問題を具体化 し,新たな製品もしくは企画を提案する.そして,そ の開発・実施に必要な予算をなんらかの試算に基づい て示す.表1に過去4年間に渡って実施してきたテー マを示す.テーマは大枠で示されるので,その中で効 果的と思われる解決策を考え出さなくてはならない. いわゆるものづくりは行わないが,市場の要求に応え る製品や事業の企画をする訓練になる.また,PBL 形式で活動するので,チームワークによる企画・調査 活動を通じて,「創造性を高める」,「チームワークに 慣れる」,「発表の技能を高める」ことが期待される. これらの能力は,あらゆるエンジニアリング活動に共 通する. 本報では,この授業でのプロジェクトの進め方を紹 介するとともに,プロジェクト進行の様子,アンケー ト結果に基づいて授業の効果について議論する.

Practice and Effects of Project-based Learning Class for New Product and Project Design with Research Activity