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高専制度が出来てから40数年が経過し,高専のも のづくり教育は広く認められるところとなった.高専 は創立以来,即戦力となる技術者を育成するため,実 習と実験を重視した教育を行ってきたが,これが「も のづくり技術者」を必要とする現在の社会養成に一致 したことにもよると思われる. このようにものづくり技術者の育成機関として,社 会・産業界から熱い視線で見られる高専であるが,高等 教育機関として,教育的課題も多い.たとえば,単なる 技術者育成でなく創造性・独創性あるいはデザインを理 解できる技術者の育成が社会から求められるようになっ て来た.このため,これまでに各高専でもものづくり教 育が盛んに行われるようになってきた1)-3).このような 状況のもと,福井高専では1年生にものづくり教育の基 礎となる,実験・実習による体験型学習である「ものづ くり科学3単位」を平成17年度に導入した.学生からは 各学科の専門内容が理解できると好評のようである. この授業科目を導入したのは,平成17年度より, 入学後の成績と志望により転科が可能な「工学基礎コ ース」制度を平成17年度に導入したことにもよる. これまでの中学生対象の入試説明会において「高専制 度は良い制度であることはわかるが,15歳で生涯の 専門分野をきめることは難しい」との意見が中学生・ 保護者に多いことにより,「工学基礎コース」を導入 した.新しく始めた「ものづくり科学」授業は,工学 基礎コースの学生が各学科の基礎実験を体験して,各 学科の内容を理解し2年次の学科を選択する参考とな ることも目的としている. このように,学生に創造性と独創性を与えるため, ものづくり教育の基礎として本校で始めた新しい授業 「ものづくり科学」について詳しく報告したい.

A trial of the Educational Method for Attaching Importance to the Originality and Creativity in the Lower Graders