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デジタルデータに基づいて導電性インクを対象物へ直接印 刷し,回路や電池そして各種センサーを形成するプリンテッ ドエレクトロニクスは,近年注目を集めている分野の一つで ある。プリンテッドエレクトロニクスの応用例として,従来 は樹脂基板やガラス基板など 2次元平面への印刷例が多かっ たが,近年では実装の高密度化や新しいボンディング技術の 一つとして 3次元曲面への回路形成の要望が高まっている。 プリンテッドエレクトロニクスを代表する印刷技術として 長らく研究されてきた印刷技術の一つが,印刷業界で広く使 用されている,微小液滴化したインクを紙やフィルムに直接 印刷するインクジェット技術である。インクジェット技術に は,圧電体の変位を用いて液滴吐出を行うピエゾ方式と,流 路内に設置されたヒーターによる液体の沸騰現象を用いて液 滴吐出を行うサーマル方式の 2種類がある。プリンテッドエ レクトロニクスの中核をなす技術として活用が進められた印 刷技術は,サーマル方式に比べて液種の制限が少ないピエゾ 方式である。このピエゾ方式を用いたインクジェット技術は, ナノ金属インクに代表される機能性材料を塗布する製造技術 として多くの研究 がなされ実用化に至った。なお,インク ジェット技術を用いた導電性インクの印刷は古くから研究さ れており,1983 年頃から複数の研究成果が報告されている 。 インクジェット技術の応用には,プリント基板(PCB),無 線周波数識別(RFID)タグ,太陽電池,バッテリー,ディス プレイ等の製造が含まれる。インクジェット技術は,他の印 刷技術と比較して低コスト,低材料廃棄,低温,電子部品の 多品種化対応を可能にしてきた。 しかし,上記応用例の多くは 2次元構造物への印刷に限ら れている。過去,インクジェット技術を用いた 3次元構造物 への印刷応用が進められてきたが,ピエゾ方式インクジェッ ト技術の原理的な課題により 3次元曲面への印刷例は限られ てきた。 一方でインクジェット技術が抱える課題を克服する技術と して近年注目を集めている技術が,エアロゾルジェット技術 である。 本稿では,インクジェット技術の原理と課題,エアロゾル ジェット技術の原理と特徴,3次元曲面への印刷例とその課 題に関して解説する。

Circuit Printing on 3D Curved Surfaces by Aerosol Jet Technology