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層状構造は,2次元な層の積層により構成され,様々な化 合物で見られる特徴的な構造である。真珠,貝殻はこうした 典型例であり,高度な分子設計,認識という生物版ナノテク ノロジーによって,無機-有機ナノシートが交互に Layerby-Layer(LbL)集積した究極のナノコンポジットが実現して いる 。生物のつくるこうした高次な積層構造を生かしつつ, 構成層に新しい機能性ナノ物質を導入し,層・層間・積層構 造を人工的に設計・構築することができれば,単独の層,物 質では実現できない複合機能や協奏効果を有する新しい機能 材料の創製が期待される 。 こうした材料創製を可能とする技術として,近年,2次元 ナノシートの LbL集積が多くの注目を集めている 。2次 元ナノシートは層状化合物を単層剥離して合成される新しい タイプの 2次元ナノ物質である。ナノシートは,層状化合物 を構成する最小基本単位である層 1枚に相当し,厚みは 0.5 -3 nmと分子レベルであるに対して,横サイズは μmオー ダーの広がりを持った異方性の高い 2次元単結晶である 。 このような構造的特徴から,ナノシートでは,高い電子・イ オン移動度,柔軟性,透明性,高耐熱等など,従来のバルク 材料とは異なる機能の発現が期待され,次世代の電子材料, 環境・エネルギー分野での応用が期待されている。特に,グ ラフェンの報告を契機に,無機から高分子材料にわたる様々 なナノシートの合成が報告され,LbL集積により新しい層状 構造体をつくる技術がますます重要になっている 。ナノ シートの LbL集積には,物質の種類により van der Waarls力, 静電的相互作用,共有結合,配位結合,水素結合などを媒介 とする手法があり,転写法,交互吸着法,ラングミュア・ブ ロジェット(LB)法,スピンコート法,スプレー法などの適 用による高次層状構造体の構築とその応用が報告されている。 筆者らのグループでは,層状金属酸化物の単層剥離により 得られる無機ナノシート「酸化物ナノシート」をベースとし た機能材料の研究を進めている 。酸化物ナノシートは究 極の 2次元性と共に,組成,構造,機能の多様性を具備して おり,LbL集積の新しい舞台として注目されている。筆者ら はこれまでに,様々な組成,構造を有する層状金属酸化物の 剥離ナノシート化を達成し,金属,半導体,絶縁体(誘電体), 磁性体など多彩な機能材料として得られることを明らかにし てきた(図 1)。さらに,室温・水溶液プロセスを用いたナノ 無機ナノシートの精密集積と高次メタマテリアルへの応用

Controlled Assembly of Inorganic Nanosheets and Its Application to High-Performance Metamaterials