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スマートモビリティは交通・移動手段において環境対応・ 省エネルギーと安全性・快適性・利便性の向上を目指す社会 システムの概念である。自動車の自動運転技術や電気自動車, 燃料電池自動車の開発などが注目を集めているが,スマート モビリティを支える技術の一つとして輸送機器の軽量化が挙 げられる。自動車では鉄鋼からアルミニウム合金やチタン合 金への置き換え,あるいは,金属から樹脂や炭素繊維強化樹 脂への置き換えが進められようとしており,そのような材料 の変更に伴って部品の組み立て方法の見直しも必要になる。 筆者らは自動車部品や医療・福祉器具などの軽量化や製造 工程の簡素化,意匠性の向上などを目的として,金属と樹脂 をレーザ照射によって直接接合する技術の開発を行っている。 自動車や医療・福祉器具,家電製品など多くの機械,器具に は金属製部品と樹脂製部品が組み合わされて使用されている。 それらの接合には接着剤やボルト締結が主に使用されている が,製品の軽量化や製造コストの低減などの要求から金属製 部品と樹脂製部品を直接接合する技術に対する関心が高まっ ている。 金属製部品と樹脂製部品を直接接合する方法としてイン サート成形 などさまざまな技術が開発されているが,成形 後の部品同士をレーザ照射によって熱的に接合するレーザ接 合法が筆者ら や片山ら ,水戸岡ら によって開発されてい る。このうち筆者らの方法の特徴は金属部材の接合面に微細 な凹凸構造を形成する前処理を行うことであり,これにより レーザ光吸収率が増大するとともにアンカー効果が発現する ため,相溶性のない異種材料の直接接合が実現している 。 本稿では金属と樹脂のレーザ接合において母材破壊が生じ るほど強固な接合が達成される要因を,金属接合面の前処理 によって形成される微細構造から検討した成果を紹介する。

Surface Treatment and Welding Strength in Laser Welding of Metal and Resin