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自動車などを中心とした輸送機器産業では,CO2排出量削 減・低燃費化に対する対策として部品の軽量化に迫られてい る。それに対応するため軽量で加工性,耐食性に優れるアル ミニウム合金の適用が拡大している 。また,樹脂やゴムな どの高分子材料も軽量で加工性に優れ,比較的安価であるこ とから金属材料の一部をプラスチックに置き換えるなど適用 範囲を拡大している。 一方,金属とプラスチックを接合することで,これまでに ない新たな機能を付与することができ,特に大幅な軽量化が 期待できるアルミニウムとエンジニアリングプラスチック間 での接合技術の重要性が増している。 これまで金属材料と異なる材料との接合方法として,古く はボルト・ナットなどの機械的締結法が適用されてきたが, 生産性が低く,生産コストなど多くの問題点を有しているた め,自動車部品の加工・組み立てにおいて一般的に接着剤が 用いられている。接着剤による接合において,信頼性を得る ためには金属表面を接着に適するように調整することが重要 である。金属-高分子間での金属の接着強さは,以下の因子 の影響を受けるとされている 。 1金属・接着界面の濡れ(界面表面張力)および親和性 2機械的結合力(金属表面の凹凸形状,アンカー効果) 3化学的界面結合力(水素結合,ファンデルワールス力, 化学結合など) 4金属・接着剤間および接着剤に発生する内部ひずみ(熱 膨張係数の差,接着剤層の厚さなど) 5金属・接着剤間でのWBL(Weak Boundary Layerの形成) 6環境(耐水性,力学的耐久性) 従って信頼性の高い強固な接着を得るためには,上記の因 子が接着に対して効果的に作用するように金属表面を改質す る必要がある。 接合強度を高める考え方として以下に示す二つに大別され る。 1化学的界面結合を向上させることを目的とした表面形状 の凹凸化。 2有機吸着物などの表面汚染物を除去する洗浄力。 とりわけ表面形状の凹凸化と接着性との関係性について, Arrowsmithは,凹凸を持った酸化物化成皮膜や一定の深さ を持った複雑形状の粗面が高い接着力を有する結果を示して いる 。

Improvement of the Bonding Strength between the Metal and Resin by Porous Electrolytic Plating