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鉄は大気環境において錆やすく,鉄鋼材料を使用するとき には防食対策が必要となる。表面処理は鋼材の防食技術とし て古くから使われてきた。ステンレス鋼や耐候性鋼のような 一部の鋼材を除き,鉄鋼材料は,めっき,化成処理,塗装な どの表面処理を施して使用される。我が国の表面処理鋼板の 生産量の推移を図 1に示す。1980 年代から生産量が大きく 伸び,1990 年以降は 1400 ~ 1600 万トンの間で推移し, 2004 年には 1700 万トン台を記録している(この図は 2002 年 までを表示している)。特に,Znめっき鋼板の増加が大きい が,これは自動車用および建設用の需要が増えたためである。 省資源,省エネルギー,地球環境保護などから鋼材の長寿 命化やリサイクル性が要求されているため,今後,表面処理 の役割はますます重要となる。この 10 年の間にも,Zn-Al系 の新しいタイプの高耐食性めっきが種々開発されている。ま た,Al系めっきもMg2Siを含有するめっきの開発が進行中 である 。一方,Zn系めっきの耐食性発現機構に関する知 見の蓄積がすすみ,促進試験条件の国際規格化も日本発で確 立した。 本小特集では,Zn-Al系溶融めっき鋼板,Zn-Al-Mg系溶融 めっき鋼板,そして Al系溶融めっき鋼板の開発動向を紹介 するとともに,Zn系めっき鋼板の耐食性発現機構や腐食促 進試験法の国際規格化について紹介する。紙面の都合上,化 成処理や塗装については除き,めっき鋼板に絞って解説する。 本総説では,めっき鋼板の開発動向を簡単に述べ,防食機 構解明に関する最近の取り組みを紹介し,最後に,Znおよ び Zn系めっき鋼板の腐食について概説する。

Recent Advances in Coated Steel Sheets and the Corrosion Protection Mechanism