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イオン注入 は半導体,電 子材料の分野で古 くか ら利用されている。半導体がICか らLSIに 展開 するにつれてイオン注入 の利用 は一段 と活発に なってきたものの,そ の他の分野,特 にエンジニ アリングの分野での利用は多 くの研究成果にもか かわらず実用面で足踏み状態にある。 その理由は,よ り古 くか ら実用化されてきたプ ラズマCVD,ア ーク式イオ ンプレーティングな どのイオ ンアシス トによる成膜 に比べて,イ オン 注入による表面改質は成膜 と異な り基本的には く 離現象が無 く,信 頼性が高いという利点を有 して いるが,イ オンの直進性か ら立体形状への均一注 入ができないこと,高 エネルギー ・大電流を要 し 経済的に注入コス トが2桁 ほど高いことに起因す る。 1986年 米国のウイスコンシン大学 のコンラツ ド博 士 に よって 開 発 され たPSII1)~4)(Plasma SourceIonImplantation)は プラズマをべ一スに したPBII(PlasmaBasedIonImplantation:別 称三次元イオン注入)技 術である。 この技術 は立 体形状物へのイオ ンの均一注入また経済的にはコ ス トを大幅 に下げる可能性 を有す。世界的に研究 が拡が り,研 究成果 も着実に得られ,簡 単な立体 形状物においては一部実用化 されている。 ここに PBII技 術 と切削工具への応用例を紹介する。

Applications of Plasma Based Ion Implantation in Cutting Tools