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薄膜 の密着性評価 に は従来 より様々な手 法が提案 され て いる1)~4)。しか し,こ れ らの評 価法 に は種 々の要 因 による測定値 のば らっ きが含まれ,定 量的評価 が困難な 状況で ある。 これに対 し我 々 は薄膜 の内部応力 を利 用 し て膜 の付着力 を測定 する方 法を提案 し,さ らに この系 に おけ る応力状態 を有限要素法 を用 いた数値解析 によ って 求 め ることにより付着力 を定量化す ることを提案 してき た5)。 この方法の要点 は,測 定対象 である基板上 の薄膜 の上 に,内 部応力の大 きな薄膜 を重ね蒸着す ることであ る。 この場 合,試 料その ものの作製 に特別 な条件 は必要 で ない。 また,内 部応力発生用の重ね蒸着薄膜 にはスパ ッ タ リングによ って作製 されたNi薄 膜を用い る ことが よ いと分 か った。 これは,ス パ ッタ リング条 件 さえ厳密 に 制御 しておけばNi薄 膜 の内部応力 は膜厚 に ほとん ど依 存せず一定値 を持つ か らであ る。我 々が測 定 したNi薄 膜 の内部応力 と膜厚 の関係 を図1に 示 す。 横軸 はNi薄 膜 の膜厚,縦 軸 は内部応力 にNi薄 膜 の厚 さを掛 け た値 で,基 板の変形 に対応す る量 である。 したが って,勾 配 が内部応力 にな る。我 々の測定 において,多 少 のば らっ きはあ るが他の多 くの内部応力 の測定 に比べれ ば,ば ら っきの程度 はかな り小 さ く,ほ ぼ直線 とみなす ことがで き,そ の結果最小 自乗 法 で計算 され た実 直 線 の勾配 が Ni薄 膜 の内部応力値 とみなす ことがで き る。 内部応 力 が一定 であるか ら当然Nl薄 膜全体 が外部 に対 して及 ぼ す影響 は膜厚 が厚 いほど大 き くなる。 そ こで,Ni薄 膜 の厚 さが ある一定 を越 えると試料 の薄膜 と基板 の間に及 ぼ され る力が は く離 に十分 なほど大 き くな り,基 板 か ら の は く離が観察 され るこ とにな る。 しか し この場 合 も N1膜 厚 の厚 さという定量的評価尺度 は得 られる ものの, 応 力や付着 エネルギーといった もの を求 めるこ とは困難 であ る。そ こで,有 限要素法応力解析 によって これ らの 物理量 を求め ることと した。

Computer Simulation of Surface Finishing Technology. Adhesion Analysis for Si Substrate/Ti Thin Films Interface.