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今日,さまざまな要因で河床の低下が進行している.そ れによって河川水位や沖積低地の地下水位が低下し,災害 や環境などのさまざまな問題が生じている(例えば,村本, 1974; 中尾ほか,1981; 山本,1994; 2010; 芦田ほか,2008). 長期的な河床変動を検討するために,かつて村本(1974) は平均低水位の経年変化を採用した.すなわち,平均低水 位には降雨条件および河道の局所的変動が関係するので河 床変動のおおよその傾向しか把握できないが最近における 顕著な河床低下の傾向がわかる,としている.しかしなが ら,降雨条件は河川の増水時の水位を大きく支配するが, 平均低水位はむしろ地下水位が関与すると考えられる.経 年的に河川の最小流量に大きな変動がないとすると,河床 が低下すれば当然平均低水位も低下することになる.この とき地下水位も合わせて低下する.河床低下と等しい量だ け地下水位が低下すれば当然平均低水位の変化は河床変動 そのものを表すであろう(第 1図).地下水位がそれほど 低下しないのであれば,河床が低下しても平均低水位は河 床と同じ量は低下しないであろう.しかしながら,それら の量関係については必ずしも明確になってはいない.そこ で河床変動や河川の堆積作用を研究する基礎として,河床 高の経年変化に対して河川の水位や流量と地下水位がどの ように変化するのか検討を行った.ただし,水位や流量は 時々刻々変化するので,年間を通じての最低値を調べ,こ れの経年変化を扱った.対象とした河川は,筆者の地元の 桂川と宇治川である.

Relationship among the deformation of river bed, river level, discharge, and groundwater level