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カテーテル挿入後に一定の期間をおいて出口部の安定化を図ってから腹膜透析を導入することの必要性が指摘されており, このような計画的な腹膜透析導入法として, 手術手技は以前と同様のままで, 短期間 (Short term) で効率的にPDを導入指導 (Induction and Education) する方法 (SPIED法) を考案し, 2000年7月より2002年12月までの間にPD導入となった患者12名を対象として, その有用性について検討した. 対象は男性9名, 女性3名. 平均年齢は61.4±12.7歳. 原疾患は糖尿病性腎症3名, 原発性糸球体腎炎4名, 腎硬化症3名, 多発性嚢胞腎2名であった. カテーテル挿入では先端を埋没させず通常通り出口部を作製し, 出口部はドレーピングのみで一旦自宅で待機とし, その間は消毒や包交は一切行わなかった. 10日後に再入院し, クリティカルパスを使用し腹膜透析を開始, 導入した. 入院期間はカテーテル挿入時2.3±0.8日, 教育導入時11.5±2.4日であった. 導入初期の液漏れや出口部感染症などの初期合併症は1例もみられず, 平均観察期間21.6±9.9か月の観察期間中, 出口部感染症は1/65.0患者・月と良好で, トンネル感染は1例もなく, 細菌性腹膜炎の発症は1/260.0患者・月と良好であった.本法では手術は1回のみで患者負担は少なく, また出口部を作製したのち10日間使用せず固定することで, カフのみでなく出口部も安定化されたことが液漏れや感染症などの合併症の軽減につながったものと考えられた.

Effectiveness of peritoneal dialysis initiation using Short-term Peritoneal dialysis Induction and Education (SPIED) technique