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ている用語であるが,本来は仏教用語で,『南山堂 医学大事典』では,心身は二而不二,不二而二(二 にして不二,不二にして二)であると説明し,道元 の「身心一如」がその語源であること,池見酉次郎 により心身医学の基本的な概念として用いられたこ となどが記載されている。ところが,漢方医学領 域に「心身一如」の概念を広く浸透させたのが誰な のかについてはよくわかっていない。 仲によると「心身一如」に関連する言葉は4種 類ある。すなわち,現在用いられている「心身(シ ンシン)一如」,道元の著した「身心(シンジン) 一如」,道元より数十年前に活躍した栄西による 「心身(シンジン)一如」と「身心(シンシン)一 如」の4つである。仲は,現在の「心身一如」の由 来について栄西説,道元説があるなか,その由来は やはり道元の「身心(シンジン)一如」であり,中 井が既に指摘しているように「身」を重視したも ので,心身医学領域において既に生かされている概 念であると結論づけている。また,仲は,その概念 を日本精神身体医学会(現在の日本心身医学会)に 定着させたのは池見酉次郎で1960年前後であると も記載している。一方,鈴木仁一は,東北大学で は1916年頃から心身相関論が講義されていたことに 注目し,「身心一如」の創成に関して,丸井清泰, 黒川利雄,古沢平作などの名前を挙げている。池見 は古沢に学んだという記載から,心身医学領域にお ける「身心一如」の起源は,さらに40年以上遡って 東北大学の研究者たちであったと言えるかもしれな い。 さて,漢方医学領域において,本来仏教用語で あった「身心一如」あるいは「心身一如」を紹介し 漢方医学領域における「心身一如」の 起源について

Origin of <i>Shinshin-ichinyo </i>in the Field of Kampo Medicine