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A case was reported of group B, Rh1Rh1 (CCDee) woman who produced anti-rh" (anti-E) and anti-hr'(anti-c) by incompatible transfusions. Characterization of the antibodies, performed through dextran-gel (Sephadex G-200) filtration and 2-mercaptoethanol treatment, revealed that anti-rh" (anti-E) consisted of potent saline active 19S fraction and potent anti-globulin active 7S fraction, anti-hr'(antic) consisted of less potent anti-globulin active 19S fraction as well as less potent anti-globulin active 7S fraction, and anti-A consisted of moderate saline active 19S fraction and very weak anti-globulin active 7S fraction. は じめに Rho(D)因 子以外のRh式 血液型因子の不適合 が原因となって 輸 血の 副作用 がおこるから, 十 分注意 を払 う必要のあることはよく知 られてい る. しか し実際には輸血前の交叉試験が適切でな か った り, Rho以 外のRh式 血液型因子の検査 を 省略するために, 輸血副作用が起 った後に改めて 精密に血清学的検査が行なわれ, Rho(D)以 外 *こ の成績 の1部 は, 三木敏行, 支倉逸 人, 桶嘉津子, 林田良子:昭 和38年 度に私達 の教室 で輸血な らび に妊娠に関係 して行な った血液型検査成績, 国行昌 頼編:厚 生省医療研究助成金援助に よる"輸 一血に基 づ く臨床上 の障害防止に関す る研究"研 究報告集, 36-40頁, 昭和39(パ ソフ レッ ト)に 予報 した. 168 Journal of the Japan Society of Blood Transfusion. Vol. 12, No. のRh因 子不 適 合 が 原 因 で あ った こ との 到 明 す る 場 合 も少 な くな い よ うで あ る. 妊 娠 や 輸血 の 結果 抗rh"(抗E)十 抗hr(抗c)抗 体 が産 生 され て い た例 や, そ の た め に輸 血 副 作 用 や新 生 児 溶血 性 疾 患 が 起 った と 考 え られ る例 は, わ が 国 で も, す で に報 告 され てい て 特 に珍 ら し くは な い が1.4). 私 達 も, 抗rh"(抗E)十 抗hr筍(抗c)抗 体 の 産 生 され てい た 患 者 に, 輸血 前 の血 清 学 的検 査 が 不 十分 だ った た め に不 適 合 血 を輸 血 し, 副 作 用 の 起 った例 を経 験 し, そ の患 者 血 清 中 に混 在 す る抗 rh"(抗E), 抗hr(抗c), 抗A抗 体 を, メ ル カ プ トエ タ ノ ー ル処 理 法, セ フ ァデ ック ス濾 過 法 で し らべ, 各 抗 体 の 性 状 を比較 検討 した の で報 告 す る. 臨床経過 患 者:M.T. 51才 の女 生 来健康 で著患 を識 らない. 夫 との間 に1男2女(3 名 とも20代)が あ り, いずれ も健在で, 死産や 自然流産 の経験はない. 経済 的理由で3回 人工流産を行なってい る. 昭和20年, 乳 腺症 の ためA大 学病 院 で 外科手術 を受 け, この時, 新鮮. 血100mZを 輸血 された とい う. 昭和35年8月, 発熱あ り, 腎肥大お よび腎孟炎の診断 の もとにB病 院に入院, ス トマ イ浸療法に より好転, 退院 したが, 36年 の1月 頃 より右側 腹部の腫 瘤を 自覚す るよ うにな り同年6月, C大 学病 院を訪 れ, 右 副腎腫瘍 と診 断 され, 入院 し6月12日, 摘 出手 術を受けた. この際, 手術 日術前 に200mZ, 術 中に2000m1, 術後15日 にわた り1日200m1, ずつ輸血 を:受けた. その間, 7月12日 お よび14日 の2回, 輸血縫 に高度の シ ョック症状(悪 感戦 標, 心悸充進 を伴ない, 40°C 以上 にお よぶ発熱)を 起 し た. 摘出 した腫瘍は組織学的検査に より副腎腫(Hyper11ephrom)で あるこ とがわかった. 患者 はマ イ トマ イシ ンの注射 を受 け術後35日 で退院 したが, 7月 下旬, 軽度 の 黄疸の発生 をみ, 血清肝炎 を疑 われた. 10月 頃 にはお おむね治癒 したよ うであ る. 翌38年3月, 腹痛を覚え, 開業医 に腎肥大 と診断 され た. 7月 に入って殆ん ど食欲がな くな り同年9月, 腹痛 お よび食欲減 退を主訴 として国立癌 セ ンター付属 病院に 入院 した. 入院時の所見:高 度 に痩ぜ, 体重39.5kg, 肝肥 大(右 肋骨 弓下4横 指触知), 腎肥 大, 腹水, 高度の貧血な どが 主な症状で, 血液所見は赤 血球数324万, ヘ モグロビン 59%, ヘマ トク リッ ト28%, 白血球数3900, 血液像にぽ 異常な く, 栓 球数 は90, 720で あった. X線 検査に より, 左腎臓 に癌転移 を思わぜ る異常陰影がみ とめ られ右 腎摘 出残部 よ り肝右葉 に転移 し, かっ左腎への浸潤転移 が考 え られ た. 血液の生化学的検査では, BSP, TTT, クンケル, CCF, モ イレング ラハ トに異常 をみとめな かったがアル カ リフォスファターゼ, LDHが 高 く, ま た尿素-Nの 軽度増 量, PSP排 泄異常な どの腎障害が 認め られた. それ以来 コバル ト60療法 を開始 したが, 副 作用が強い ので1週 間 で中止 した. 貧血 が 徐々 に 強 くな るの で9月30日 一10月5日 および 10月15日-19日 の11日 間, 毎 日200m1ず つの 輸血 を行 なった. 交叉試験用の患 者血液は9月30日 に採血 した. 発註が夜間であったため, 交 叉試験は血清法, 混和直後 遠沈判定 法によった. 10月15日 お よび19日 の2回, 輸血 後に体温上昇 と, 比較的重篤 ではない ショック症状 を呈 した. 血液型不適合輸血 を 疑い, 10月25日 に 改めて血 清学的検査 を行な った ところ, 患 者血 清中に抗rh"(抗 E), 抗hr(抗c)抗 体が検 出, 同定 された. 以後10月 25日, 27日, 29日 の3日 間適 合血200m1ず っの輸 血を 行ない, 副作 用を さけ ることができた. 食 欲は 次第 に増進, 元気 を回復 したが, 貧血 は改善に 到 らず, 血液所見 も入院時 と余 り変 りなかった. その後 経過観察 中の とこ ろ, 11月4日 家庭の事情 によ り退院 し たが, その際は 一般症状 が好転 してい た. 退院時の体重 は41.5kgで あった. 帰宅後開 業医の もとで抗癌剤を使用 し治療を行 な ったが, 38年12月26日 死亡 した. 血 清学的検 査 A.検 査方法 1)凝 集反 応:す べて試験管遠沈 法によった. すなわ ち血清2滴 に2%血 球生食水浮遊液2滴 を混和 し, 20°C お よび37°C に30分 放置 した後, 1,000RPMで1分 間遠 沈 して凝 集の結 果を判定 した. その後20°C に放置 した も のは0. 5%プ ロメリン溶液 を2滴 加え37°C に15分 間 置い た後, 37QCで 感作 したものは, 生食水 で3回 洗諜 し, 抗 ヒ トグロブ リン(ク ームス)血 清を加 えた後, 前 と同 じ よ うに遠沈 して凝集の結果を判定 した. 2)吸 着 方法 よ く洗 った血球泥 を血清に等量加え, 37Cに30分 放置 し, 吸着用血球 に凝集が認め られな くな るまで数 回繰返 した. 3)メ ル カプ トエタノール処理:著 者の1人 支倉 が前 日本輸血学会雑誌 第12巻 第6号169 に報告 した方法 によった5). 0.2Mメ ル カプ トエ タノール 溶液 を患者血清 に等量加え37°C に2時 間 置いた後, 緩衝 生食水 中(rH 7.4)で1夜 透析 した. 4)セ フ ァデ ツクスG200(Dextran-gel)分 画法:著 者の1人 支倉が前に報告 した方法 によった6). 緩衝生食 水(pH8.0)に セ ファデ ックスG 20069を 加 えて膨張 させ, 径3cm, 長 さ30 cmの カラムにっめ, 血清1m1を 重ねた後, 緩衝生食水 で透 出 し, その1m1ず っを フラク シ ョンコレクターで採 取 した. 5)Titration score:セ ファデ ックス濾過に よって得 られた各 分画 おのおの を連続倍数希釈 した後, 食塩 水法 お よびクーム ス法 で凝集 反応を行 ない, それぞれの凝集 の強 さに0-5のScoreを あたえ, 合 計 した ものをTitration scoreと して, 凝集反応の強 さを表現 した5-7).

DEXTRAN-GEL FRACTIONATION OF ANTI-rh″ (E), ANTI-hr′ (c) AND ANTI-A IN A PATIENT WITH TRANSFUSION REACTIONS