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左側胆囊は胆囊が肝円索の左側に存在し,内臓逆位 を伴わないものと定義されており,1886年のHochstetter の報告以来,110例を越える症例が報告されて いる .また,胆囊結石症に対する手術として一般的と なっている腹腔鏡下胆囊摘出術が,左側胆囊に対して も行われており,本邦では25例の報告があるが,腹腔 鏡下の手術の際には様々な工夫が必要となる.今回, 下行結腸癌を合併した左側胆囊での胆石症に対して腹 腔鏡下胆囊摘出術および結腸部分切除術を行ったので 文献的考察を加えて報告する. 症 例 患者:60歳代,男性. 主訴:人間ドック要精査. 既往歴:大腸ポリープに対してポリペクトミー. 現病歴:特に症状はなかったが,人間ドックでの腹 部超音波検査で胆囊結石症と,PET検査で下行結腸に FDG集積を認めたため,精査を勧められ当科紹介とな った.大腸内視鏡検査で下行結腸腫瘍を指摘され,内 視鏡下粘膜切除は困難であり手術目的に入院となっ た. 生活歴:喫煙...8年前より禁煙 20本/日×30年,飲 酒...ビール2本+焼酎2杯/日 家族歴:特記事項なし. 入院時現症:胸腹部に異常所見なし. 血液検査:特記すべき異常所見なし.腫瘍マーカー は正常範囲内だった. 腹部超音波検査:胆囊内に音響陰影を伴う16×12 mm大の結石を認めた.胆囊の壁肥厚はなく,胆囊底 部は外側区域と接していたが,左側胆囊としての位置 異常は指摘できなかった.肝転移を疑う所見は認めら れなかった. 腹部造影 CT検査:術前には左側胆囊と診断できな かったが,retrospectiveに検討すると,肝内門脈臍部 は門脈右枝に認められ,胆囊は肝円索の左側に存在し ており,左側胆囊と診断可能であった.下行結腸癌に 関しては,CT上では主病変は指摘できず,リンパ節転 移・他臓器転移も認めなかった(Fig.1a,b). DIC-CT検査:胆囊は総胆管の右側に位置してい た.総胆管には明らかな拡張や結石は指摘できなかっ た(Fig.2). 下部消化管内視鏡検査:下行結腸に近接する2個の 表面不整な広茎性隆起性病変を認めた.生検の結果 group4であったが,EMRは困難であり,手術適応と 判断した(Fig.3). 手術所見:通常の腹腔鏡下胆囊摘出術の際の挿入位

LAPAROSCOPIC CHOLECYSTECTOMY AND PARTIAL COLECTOMY FOR THE TREATMENT OF LEFT GALLBLADDER CHOLELITHIASIS AND TWO DESCENDING COLON CANCERS