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男性の乳腺疾患の大半は乳癌と女性化乳房で良性疾 患は非常に稀である.男性の乳癌でさえ,全乳癌の1 %程度の頻度である.乳管腺腫は乳管内に発生する良 性腫瘍で,女性においても稀な組織型と考えられてい る.今回,われわれは男性では極めて稀であると考え られる乳管腺腫の1例を経験したので文献的考察を加 え報告する. 症 例 患者:61歳,男性. 主訴:右乳房腫瘤. 家族歴:特記すべきことはない. 既往歴:慢性C型肝炎. 現病歴:2007年11月ごろに右乳房にしこりを自覚. 増大傾向認めるため2008年10月に精査加療目的に当科 外来受診となった. 初診時所見:右E領域に可動性良好な弾性硬の径 2cmの腫瘤を触知.圧痛なし.乳頭異常分泌物は認め なかった.腋窩,鎖骨下リンパ節は触知しなかった. 血液検査所見:軽度総コレステロール値の上昇を認 めたが,それ以外は腫瘍マーカーを含めて正常値であ った. 乳房超音波検査所見:右E領域の乳頭直下に20× 10mmの境界不整,前方境界断裂,後方エコー増強を 伴う内部不均一の腫瘤を認めた(Fig.1a). 胸部造影 CT検査所見:右乳頭直下乳腺内に20×12 mm大の八頭状の結節を認め,リンパ節腫大や遠隔転 移は認めなかった(Fig.1b). 右乳腺造影MRI検査所見:右乳頭直下E領域に境 界明瞭な腫瘤を認め早期より均一に濃染し造影後は wash outされ ring状に濃染を認めた.広範な進展を 疑う濃染は認めなかった(Fig.1c,d). 針生検組織学的所見:二相性の明瞭な腺管が癒合状 腺管や乳頭状構造を形成し増殖.一部にアポクリン化 生や腺管の内腔に組織球が集簇し,石灰化を認めた (Fig.2a,b). 以上の検査結果から乳管内乳頭腫の診断にて右乳房 腫瘤摘出術を施行した. 切除標本肉眼的所見:20×12×10mmの楕円形の充 実性腫瘤であった(Fig.3a,b). 病理組織学的所見:明瞭な線維性被膜を有する結節 性病変であった.脂肪を貪食した組織球やアポクリン 化生を認め,周囲に筋上皮の増殖を伴った.主体はア ポクリン化生を伴う癒合状腺管からなりたっており腺

A CASE OF DUCTAL ADENOMA OF THE MALE BREAST