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軽水炉のシビアアクシデン ト時には,損 傷した炉心領域 で過熱された水蒸気を主成分とする高温気体が原子炉冷却 系配管内に流入する。原子炉冷却系内の圧力が高圧の状態 で事故が進展する高圧シーケンスにおいて,圧 力負荷と併 せて過度の熱負荷が配管に加わると,配 管のクリープ変形 および破損が生じる可能性がある。また,場 合によって は,燃 料から放出され配管内壁に付着 した核分裂生成物 (FP: Fission Product)か らの崩壊熱が配管への熱負荷と して与えられることが考えられる。原子炉冷却系配管の破 損時期および破損部位は,そ の後の事故進展やソースター ムに大きな影響を及ぼし得る。このような背景から,シ ビ アアクシデント時の原子炉冷却系配管の破損に関連する研 究がなされてきた1~3)。 配管破損が問題 となる事故シーケンスでは,炉 心の著し い損傷が生じてから,短 時間で配管の温度が1,000°C程度 の高温に達することが予想される4)。したがって,配 管の 変形や破損を精度よく予測するためには,高 温における短 時間クリープ挙動の評価が必要となる。このことは,金 属 材料 に一般的に生 じる3期 にわたるクリープ現象の う ち,第1期,第2期 クリープだけでなく,ク リープボイ ドなどのクリープ損傷により,ク リープひずみが加速度的 に増加し,速 い変形速度を伴う第3期 クリープ挙動を含 めて考慮することの重要性を示している。しかしながら, これまでの多 くの解析が定常クリープの構成式を用いて行 われ,こ れら配管の変形や破損に大きな影響を及ぼすと考 えられる第3期 のクリープを考慮 した解析は行われてい ない。 第3期 クリープ領域においては,ク リープひずみが加 速度的に増加し,そ れに伴う変形が増幅され,破 損が生じ ることが考えられる。この第3期 クリープの挙動を解析 に取 り入れるためには,ク リープ試験から得られた時間クリープひずみ曲線をクリープ構成式により忠実に表すこ とが不可欠である。すなわち,ク リープ損傷を考慮 したク リープ構成式を取 り入れた有限要素法解析を行うことが必 要になる。このような解析では,損 傷変数により構造材の クリープ損傷状態を記述するため,ク リープ損傷による配 管の破損の判定を明確に行うことができる。 第3期 クリープを表すことができるクリープ損傷を考 慮した損傷発展則 とクリープ構成則の組合せは,き 裂先端 1 佐 賀 大 学(Saga Univ .) 2 九 州 大 学(Kyushu Univ .)

Damage Analysis of Coolant Piping due to Local Creep under Severe Accident Condition