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私たちが 20 年以上にわたり研究開発して来たグロー バル二酸化炭素リサイクルも産業としての開発が始まろ うとしている.この主題については,2009年に本誌で紹 介した1).これに関連する,材料とシステムなどその後 の展開を述べるにあたり,まず,石油,天然ガス,石炭, ウランが制限なく購入できる今,エネルギーの何が問題 か,から考えてみたい. アメリカ合衆国エネルギー省エネルギー情報局 (DOE) のウエブサイトに,1980年から 2008年までの世界の全 ての国と地域のエネルギー消費量,炭素排出量,人口な どの最新のエネルギー関連データが,石油,天然ガス, 石炭などの埋蔵量に加えて掲載されている2).図 1は,3 つの国のグループと合わせて日本人,アメリカ人,中国 人の一人一人が 28 年間エネルギーをどのように消費し てきたかを示したものである.個人消費量の違いは一目 瞭然である.このうち 2008 年について,個人消費量と 人口の関係をまとめたものが図 2である.人口ではマイ ノリティーの先進国の人々が,世界のエネルギーの半分 近くを消費し,世界の人口の 78%近くを占める途上国の 人々は世界のエネルギーの 42.8%しか使っていない.例 えば世界平均までエネルギーを消費してよいといわれる と,途上国の人々は 2倍近くまでエネルギー消費量を増 やすことができるが,アメリカ人が 78%,日本人が 材料と環境, 61, 305-313(2012)

The Use of Renewable Energy in the Form of Usable Fuel via Hydrogen