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象鳥Aepyornis maximusは かつてマダガスカルに生息 していた巨大な鳥で,ニ ュージーラン ドに生息 していた恐鳥(モ ア)Dinornis maximusと ともに最大級の鳥類としてならび称 される。 象鳥の卵は長径30cm前 後,短 径23cm前 後 もあり,世 界最大の鳥卵である。(財)進 化生物学 研究所にはその完卵標本3個 が所蔵されており,そ れらの解析をはじめとする象鳥の総合的な 研究を目的とし,2003年 に(財)山 階鳥類研究所と同研究所を中心に 「象鳥プロジェクト」が発 足した。本報告の調査は,そ の 一環 として行われたものである。 マダガスカル島最南端Cap Sainte Marie(現 地名Tanjona Vohimena)の 東,約70kmに 位置 するFaux-Cap(現 地名Betanty)海 岸砂丘には,象 鳥の卵殻片半化石が大量に包含されている。 同地の住民の中には収集 した卵殻片を継 ぎ合わせ,全 卵を復元 して商 う者がおり,大 部分が同 一卵由来の破片か らなる復元卵 も少なか らず見 られ 。 このことは,破 片が散逸せずにまと まった産状を呈することが しばしばあることを示 している。以上のことから,こ の砂丘が象鳥 の集団営巣地であった可能性が示唆される。そこで我々は,象 鳥の生息および営巣環境を解析

象鳥(エピオルニス)の卵殻片半化石を産するマダガスカル南部フォーカップの海岸砂丘における地温の年間変動の調査