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放送局には,過去の放送映像や収録素材などの大量の映 像がアーカイブスとして蓄積されている.これらは番組制 作者にとって,再利用のソースや参考資料として「宝の山」 であり,効率的に検索する仕組みが不可欠である. NHKでは,番組制作者やそのアシスタントをユーザとし てアーカイブスの検索を可能とする「アーカイブス情報シ ステム」が運用されている.このシステムでは,番組タイ トルやフリーキーワードの入力,放送日の指定などにより, コンテンツ(番組)を検索することができる(図1(a)).し かしユーザがコンテンツ全体ではなく,カットなどのある 特定の短い区間を求めて検索するケースでは,検索された コンテンツの中から所望の区間を目視で探す必要が生じ る.そこで,コンテンツ単位での検索だけでなく,字幕 (クローズドキャプション)や人手で付与されたコメントな どのテキスト情報の利用による,カット単位でキーワード 検索を行う機能も整備されている(図1(b)). 現在,各カットの画像とカット点の時間情報からなる 「構成表」を持つコンテンツはごく一部であり,さらにその 中で,カット単位でのテキスト情報が付与されているもの は少ない.したがって,大部分のカットはキーワード検索 で見つけることができない(図2(a)).さらに,字幕データ に基づいたキーワードはカットの内容を的確に表現してい ない場合がある(図2(b)).また,人手によるカットへの キーワード付与については,作業コストの面で難しいだけ でなく,付与者による表現の「ブレ」により思うような検索 結果が得られない場合もある(図2(c)).このように,キー ワードのみでのカット検索にはさまざまな課題がある. あらまし われわれは,放送アーカイブスの有効利用を目的とし,手動付与されたテキスト情報に頼らない手法と して,画像解析による検索技術の研究を進めてきた.そして,2015年1月から約4ヵ月間,関連部署との連携により, 番組制作者が実際に使用するアーカイブス情報システムにおいて,画像解析を用いた新しい検索システムの検証実験 を行った.さらに,ユーザからの評価および操作ログの解析により,今後の実用化に向けて有用なデータを得た.本 稿では,導入した技術の紹介,システムや機能の概要に加え,実際のユーザによる評価と操作ログの解析結果,およ び主な検索機能の精度について述べる.

Verification Test for Practical Application of Image Analysis Technology on Broadcast Video Archive Search