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UVP 法は医療分野における超音波ドップラー計測に 端を発し,工学分野においても1流動場の時空間速度分 布を計測できる,2光学的に不透明な流れや壁面を通し た管内流や容器内流れを計測できる,という大きな特徴 を活かし,様々な流動場の可視化に貢献してきた1). 本来の UVP 法は1次元1速度成分計測に限られるた め,これまでに UVP 法を多次元多速度成分計測へと拡 張するための様々な手法が模索されてきた.多次元を計 測するための最も単純な方法としては,テイラーの凍結 仮定を適用し,超音波探触子を機械的に移動して多測定 線を実現する方法がある2,3).この他に開口の大きなア レイ探触子を用いて,広範囲の計測を行う方法も報告さ れている4,5,6).速度成分に関しては,送信と受信につい て複数の位置で計測を行う事により,複数の計測線方向 について速度を算出し,多速度成分を得る手法が報告さ れている2,3,6).また,これらを組み合わせることで多次 元多速度成分の計測が行われてきた.しかしながら現実 には超音波探触子の設置に関する制約も多く,UVP 法 の適用が困難である流動場も多く存在した.そうしたな か,非破壊検査などで広く用いられているフェイズドア レイ技術が注目を浴びている7,8,9).フェイズドアレイ技 術では超音波アレイ探触子と多チャンネルパルサ・レ シーバを用い,アレイ探触子内の複数の圧電素子から異 なるタイミングで超音波を送出することで,任意の方向 に合成波を形成し,電子的に超音波ビームの進行方向を 走査することを可能としている.従って,探触子を機械 的に移動させることなく,より広い範囲の多次元空間計 測が可能になる.加えて,アレイ探触子内の複数受信素 子の信号を同時に解析することで多速度成分を得ること も可能になる.本稿では,この超音波フェイズドアレイ 技術と UVP 法を融合させたフェイズドアレイ UVP 法 による速度ベクトルの可視化について述べる.

Visualization of Two-Dimensional Velocity Vector Using Phased Array UVP Technique