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感圧塗料(pressure-sensitive paint, PSP)は発光色 素を用いた化学センサーである.PSP の発光信号は酸 素消光により酸素濃度,酸素分圧,または静圧に関係づ けられる1).流体計測を行う試験体に PSP を塗布または コーティングし,その発光信号を画像として取得するこ とができる.その画像は酸素消光を介して圧力分布とし て抽出することが可能である. 取得する発光画像には圧力に依存する発光分布と,圧 力に依存しない発光分布が混在する.前者を抽出するた めに従来法(強度法)は,圧力一定下でリファレンス画 像を取得する2).ただし強度法を用いるにはリファレン ス画像と流体計測中の画像(通風画像)との間で試験体 を含む光学設定の位置が変化しないことが前提となる. そのため試験中に位置関係が時間変化する計測,試験体 が変形する試験,計測を再現できない自由飛翔体での試 験には強度法を適用するこができない. 寿命法を用いることでこれらの計測上の制限を拡張す ることができる.この方法は発光信号の寿命を異なる時 間間隔で計測し,得られる発光寿命の画像比を圧力に関 係付ける.一つの時間間隔は用いる発光色素により異な るが,マイクロ秒オーダーかそれ以下であり,得られる 発光量が制限される.そのため発光量を積算することが できる定常流での計測に特にその優位性を発揮する3). 本論ではこれらと異なる PSP 計測法として,モー ションキャプチャー PSP 法を紹介する4).これは強度法 を発展させた計測法であり,リファレンス画像と通風画 像を異なる発光波長の画像として同時取得する点に特徴 がある.発光強度を計測するため,寿命に比べ発光信号 を高い状態で計測できる利点がある.そのため非定常流 れのような計測時間が限定された流体計測への適用が期 待される.この方法の適用例として,フラッター翼面上 の非定常圧力分布計測と自由飛翔体の圧力,温度分布計 測の現状について述べる.

Motion-Capturing Pressure-Sensitive Paint Method and its Applications to Unsteady Fluid-Dynamic Measurements