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気系流動層は,容器内に充填した固体粒子群中に下部 から気体を流入することにより,粒子群を流動化させる ための装置であり,燃焼,ガス化,触媒反応,乾燥など の熱輸送を伴う各種プロセスにおいて広く利用されてい る.層内での粒子群の運動は,粒子スケールでの粒子粒子,粒子-容器壁面や粒子-周囲気体間の直接的な相 互作用に加えて,流れ中に自発的に形成される気泡など のメゾスケール構造と,これらが誘発するマクロスケー ルでの対流や循環の影響を強く受ける.熱輸送に関して も,個々の粒子-周囲流体間の対流熱伝達,粒子-粒子 間・粒子-容器壁面間の接触熱伝導やふく射の影響が考 えられ,実際にはこれらが複雑に絡み合って起こるため, 大変複雑となる. 現象の複雑さと実験計測の困難さから,流動層内流れ を対象とした数値計算モデルの開発が進められており (例えば1-3)),さらにその拡張として,熱輸送を考慮し たモデルも提案されている4-6).流動層中の個々の粒子 は,有限の熱容量を持っており,粒子群の運動は粒子の 対流による熱輸送に寄与すると共に,個々の粒子の変動 運動が拡散としての熱輸送を誘起する.このため,流動 層内での熱輸送現象の理解促進には,個々の粒子レベル での運動を知ることが重要である.これまでに PIV 法7,8)や,放射性トレーサ粒子を用いたラグランジュ追 跡法9-13)などにより検討が行われてきた.しかし,粒子 レベルでの熱輸送に関してはほとんど知られておらず, ましてや粒子の運動と熱輸送特性との関係を扱った研究 は,前報14)を除いて研究は皆無である. 本研究では,流動層などの高濃度に固体粒子を含む流 れの熱輸送モデルを高精度化する際に重要となる,粒子 運動と熱輸送特性との相互関係に関する検証用のデータ を取得すると共に,現象に対する理解を深めることを目 的として,粒子追跡速度計測(PTV)法と赤外線(IR) サーモグラフィ温度計測法を組み合わせた手法を提案し, 実際にこれを用いて 2次元流動層中において流動状態に ある粒子群の運動と温度の同時計測を試みた.

Simultaneous Measurement of Motion and Temperature of Individual Particles in Fluidized Bed with Heat Transfer