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気液二相流に関する研究は,火 力 ・原子力発電等のエ ネルギ関連のみならず,化 学 ・バイオプラン トなどの沸 騰二相流特性の把握として今なお実験的研究が重要視 さ れている.そ こで著者 らは,気 液二相流の流動特性を調 べ るにあた り,超 音波流速分布 計測計(UVP)を 用い て,気 泡近傍の流動計測を試みて きた1).2).UVPは 計測 線上の瞬時速度分布 を非接触に計測できるため,こ れを 周積分することによる高精度流量計測への適用3),不 透 明流体やテーラ ・クエ ット流 の流動計測4),5)など数多 く の分野に用い られてきている.気 液二相流においては気 泡界面 を速度分布から抽出することで,気 泡界面か らの 速度分布 としてデータを整理できる.し か しながら測定 体積が比較的大きいため,計 測する気泡流のボイ ド率に よっては,超 音波の基本周波数を適切に選択する必要が 生 じる6).一 般 に,発 信超音波の指向性お よび強度分布 は超音波の二つのパ ラメータである基本周波数(f0)と 超音波 ビー ム径(DUS)の 関係 に依存 す るため,UVP 計測で用 いられる超音波パルスを送受信する超音波 トラ ンスデューサ(TDX)の 仕様 は,従 来Table1の よ う に選択 されてきた.Table1か ら反射体の数密度に よっ てf0の 選択性が存在す る事 が分かるため,著 者 らは超 音波 のf0の 違いに よって,DUSが2.5mm,5mm,10 mmの 三種類 を用いた気液二相流のUVP計 測を行い, ボイ ド率の違 いによる適切な超音波ビーム径 を決定 し た6),Fig.1は20×100mm2の 鉛直矩形管 内気液二相流 計測(ボ イ ド率 α=1.8%)に おいて,UVPを 用 いて計 測 した際の流路中央位置 における計測速度値 の確率密度 分布(PDF)で ある.す なわちFig.1は 計測に用いた基 本周波数(超 音波 ビーム径)の 違いによって液相速度と 気泡速度を選択的に測定できることを示唆 している. そこで著者 らは,一 つの超音波 トランスデューサに同 心円状に二つの異なる共振周波数の超音波振動素子を埋 め込んだ同軸二波長超音波セ ンサ(マ ルチウェイブ ・ト ランスデューサ)を 開発するとともに,複 数の大 きさの 異なる反射体か らの信号を解析 し,そ れぞれの速度分布 を計測す るマルチウェイブ超音波法 を提案 し,気 泡流の 気液両相の速度分布計測に適用 した7),8). 本報では,マ ルチ ウェイブ超音波法の基本概念 を示す と共 に,マ ルチ ウェイブ超音波法 で用い られるマルチ ウェイブ ・トランスデューサの放射音場を音圧分布とし て可視化 して,本 手法に用いる際の注意点について議論 する.そ して,マ ルチウェイブ超音波法を気泡流計測に 応用 し,気 相 ・液相の各速度分布 を可視化の観点から考 察する.そ して最後に,本 手法を用いる際の信号処理手 法の違いによる特徴 と課題点について検討する.

Development of Multi-wave Ultrasonic Method and Visualization of Bubbly Flow