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ある種の高分子や界面活性剤の水溶液は,乱 流状態に おいて著 しい摩擦抵抗減少効果を示すことが知 られてい る.1948年 に高分子溶液の トムズ効果1)が見出されて以 来,高 分子や界面活性剤 を添加 した抵抗減少流れの乱れ の特性について多 くの研究が行われてきている.例 えば, LDVに よる速度計測によって,抵 抗減少流れでは乱れ の非等方性が増大することや,レ イノルズ応力が抑制さ れることが明確になってきた2),3).また最近では,高 分 子の構造を表現 したモデルを添加することによって希薄 高分子水溶液の乱流の数値計算が試み られてお り,乱 れ の再分配機構の変化 を示唆す る結果が得 られている4),5). また,抵 抗減少率とともに平均ス トリーク間隔が増大す ることが,流 れの可視化によっても示 されている6).し かし,抵 抗低減 を生 じるメカニズムについての詳細は, 未だ明らかではない. 近年,流 れの中に混入 した トレーサ粒子の運動を可視 化 して得 られる画像データか ら流れの速度を計測する PTV(Particle Tracking Velocimetry)やPIV(Particle Image Velocimetry)が 種々の流れ場の測定に用いられ るようになって きている.こ れは,瞬 時の流れ場 を一挙 に算出できるという,従 来の点計測にはない特長をもつ ことか ら,非 定常流れの構造の解明に適 している.PTV やPIVで 得 られた速度場か ら瞬時の変動速度ベク トル 場 を算出することが可能であり,こ のような瞬時の変動 速度ベク トル場の情報をもとにチャンネル乱流や乱流境 界層の構造が,水 や空気の場合を対象に詳細 に調べ られ ている7).8).本稿では,こ のような画像速度計測の特長 を生かすことによる抵抗減少流れの研究について,著 者 らの実験結果を中心に具体例をいくつか紹介する.

PIV Measurements of Drag-Reducing Turbulent Flows by Polymer Additives