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1 はじめに 本稿は,建物ノードに容量制約が付された都市モデルにおいて, 通勤移動コスト,就業地間移動コストおよび立地コストを考慮した 職住分布の均衡配置を理論的に求めることを目的とする.定式化 を行うにあたり,人々が負担するコストの均衡配分が数理計画問題 と等価であることを示した上で,数理計画問題が非凸 2 次計画問題 となることから,線形緩和法を用いて線形計画問題へと帰着させ, 職住分布の均衡配置を導出する. 都市空間における移動コストの最小化問題は,Hamilton 1) によ る通勤移動コストの最小化を試みた研究から端を発し,通勤時の混 雑緩和や交通過剰問題を扱ったもの 2) や職住の密度を考慮して職 住分布の同時形成をモデル化したもの 3) など発展をとげており, 職住分布のバランスや就業地の集中・分散の度合いなどが求められ ている.また,交通均衡の概念は,新古典派経済学の分野で研究さ れ,Wardrop 4) が利用者均衡配分とシステム最適配分という 2 つ の配分原則を提唱し,Wardrop 均衡(利用者均衡)は『均衡状態に おいては,もはやどの利用者も経路を変更することによって自己の 旅行時間をそれ以上短縮することはできない』と表現され,N 人 ゲームの Nash 均衡 5) 6) と等価であることが知られている 7). しかしながら,職住配置を考えるにあたっては通勤移動のみなら ず,就業地間の結びつきを考慮することが必須であると考えられる が,本間 3) らによって部分的には研究はされているものの数値シ ∗ 東京電機大学理工学部建築・都市環境学系 助教・博士(工学) ∗∗ 東京大学生産技術研究所 講師・博士(工学) ∗∗∗ 東京大学生産技術研究所 教授・博士(工学) Assist. Prof., School of Science and Engineering, Tokyo Denki University, Ph.D.

EQUILIBRIUM ARRANGEMENT OF HOUSINGS AND JOBS WITH CONSTRANED CAPACITY CONSIDERING LOCATION AND TRAVEL COSTS