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注 注1)自主制度の例として、「修理・修景型」には奈良市都市景観形成地区建造 物保存整備補助金交付要綱などがあり、「修景型」には新潟県村上市の村 上市歴史的景観保全条例などがある。 注2) 文献 2(p424)によれば、伝建物等を特定し、保存・復元を中心としたデ ザイン基準を設定した地区は 64 事例中 15 事例 (23%) であった。 注3) 文献 3(p128) によれば、「修景型」自主制度を行う村上市では、町並み保 全制度検討期に伝建制度から景観条例に基づく景観形成地区へと方針変更 した経緯があることが述べられている。 注4)「修景型」自主制度実施地区の運用実態に関する既往研究(文献 3、4など) において、修景を軸にした景観形成を進める地区においても、現存する伝 統的な建造物に対して保存策を講じる必要性が指摘されている。 注5) 当該事業は教育委員会の管轄で進められてきたが、2010 年度に住宅都市 局都市計画部に歴史まちづくり推進室が設置され、業務が移管されている。 注6) 本稿で扱う「現状変更」とは、名古屋市町並み保存要綱において届出の 対象行為となる「新築・増築・改築・除却・外観を変更することとなる修 繕・模様替え・色彩若しくは材質の変更」に、届出は必要ないが補助事業 の対象となる「管理(外観変更を伴わない修繕)」を加えたものと定義する。 なお、当該要綱に定める届出の対象行為には、上記の他に、移転および宅 地や土地、植栽等の変更がある。 注7) 目視調査には、文献 15(pp.27-30)に掲載された地区指定時の旧東海道 沿い連続立面図を補助的に用いた。また、視感測色には、( 社 ) 日本塗装 工業会発行の 2011 年 F 版塗料用標準色票を用いた。 注8) 全面改修は屋根以外の全ての箇所を改修した事例をさし、部分改修は外 観の一部分もしくは複数箇所を改修した事例をさす。 注9)説明変数に対するサンプル数の比率が一般的に求められる数値より低く なっているが、定量的にクラスター化するため、本分析方法を用いた。 注10) アイテム間の相関係数が 0.7 以上の強い相関(文献 16、pp.73-75)を持 つものはどちらか一方を除外した。 注11) 本分析方法は、文献 17pp.79-84 に示される数量化III類のアイテム・カ テゴリー反応のタイプ 2に該当するものである。 注12)クラスター数の決定方法は、クラスター同士の結合距離が比較的長いと ころでクラスター数を決定する線引きを行うのが一般的であるが(文献 18、pp.296-297)、本稿では外観意匠のパターンをできる限り詳細に分析 するため、全サンプルが 1回以上結合した段階で線引きを行った。 注13) 屋根材・外壁材は相関係数の問題によってクラスター分析の対象項目か ら除外したが、ここでは修景基準との対応関係を見るため、分析項目に加 えた。なお、対応・併存・非対応の判断は、表 4 の 30% 以上の特性項目に 基づき判断した。また、外壁の類似材として白の吹付を対応とみなした。 注14)2013 年時の行政担当者へのヒアリング調査から、部分的に基準に対応し ない箇所がある場合にも補助を適用していたことが明らかとなっている。 注15) 一般建造物外観タイプの内、5 タイプ以上に共通する項目を「共通性が 高い項目」、2タイプ以下の共通を「固有性が高い項目」と判断した。 注16)掃き出し・腰高・土間の3種類は伝建物に見られる形式(3-4節・表6)である。 注17) 建造物数のカウント方法について、一般建造物及び駐車場等の空地は 1 敷地につき 1件とする。伝建物は文献 14(pp.9-11)において、主屋・土蔵・ 門塀を 1棟ずつ指定しているため、伝建物 1棟を 1件としてカウントした。 注18) 図 15 に示す平均とは、エリア内の各観測点の割合を合計し、観測点の 数で割った値をさす。 参考文献 1) 景観まちづくり研究会:景観法を活かす , 学芸出版社 ,2004, pp.36-62 2) 川元涼太 , 佐野雄二 , 岡崎篤行 , 高見沢邦郎 , 饗庭伸:歴史的町並みにお ける景観条例に基づくデザイン誘導の全国実態 , 日本建築学会技術報告集 第 17 号 , pp.421-426, 2003.6 3) 小柳健 , 岡崎篤行:武家屋敷地区のデザイン誘導における景観形成基準の 運用実態−村上市歴史的景観保全条例を対象として−,日本建築学会計画系 論文集第 577 号,pp.127-133,2004.3 4) 佐野雄二 , 岡崎篤行 , 高見沢邦郎 , 西村幸夫:景観条例に基づくデザイン 誘導制度の運用実態と課題-岐阜県古川町の歴史的景観地区を対象として-, 日本建築学会計画系論文集第 551 号,pp.205-212,2002.1 5) 北山めぐみ , 山本直彦 , 平尾和洋 , 増井正哉:名古屋市町並み保存地区に おける歴史的町並みの整備実態 -四間道・中小田井地区を事例として -, 日 本建築学会技術報告集第 20 巻第 44 号 , pp.279-284, 2014.2 6) 北山めぐみ , 山本直彦 , 増井正哉 , 平尾和洋:名古屋市有松町並み保存地 区における伝統的建造物の修理実態に関する研究 , 日本建築学会技術報告 集第 19 巻第 43 号 , pp.1105-1110, 2013.10 7)古市修, 小林正美, 泉山塁威, 野口弘行, 内山善明:街並み景観データベー スを活用した歴史的街並み再生の方法論に関する研究 岡山県高梁市にお ける景観構造の視覚化と町並み助成制度による修景効果の検証 -, 日本建築 学会計画系論文集第 77 巻第 673 号 , pp.619-628, 2012.3 8) 牛谷直子 他:重要伝統的建造物群保存地区における修景実態に関する研究 , 日本建築学会計画系論文集 第 561 号,pp.211-216,2002.11 9) 公文暁 ,河東義之 ,山本明:伝統的建造物群の保存修理事業の実態〜高山市三 町地区での事例〜 ,日本建築学会計画系論文集第 552 号,pp.215-222,2002.2 10) 牛谷直子 他:重要伝統的建造物群保存地区における現状変更に伴う景観 変容 楢川村奈良井重要伝統的建造部群保存地区を事例として , 日本建築学 会計画系論文集第 582 号,pp.81-86,2004.8 11) 川上光彦 , 矢後香織 , 小柳健 , 西野達也:金沢市における独自条例によ る景観形成基準の内容と運用実態 , 日本建築学会計画系論文集第 671 号, pp.75-83,2012.1 12) 守山基樹 , 門内輝行:京都の街並み景観の記号化と記号のネットワークの 記述 街並みの景観における関係性のデザインの分析 その 1, 日本建築学会 計画系論文集第 652 号,pp.1507-1516,2010.6 13) 齋藤篤史 , 宗本順三 , 松下大輔:感性評価に基づく形態要素のラフ集合 を用いた組み合せ推論の研究 産寧坂伝統的建造物群保存地区のファサー ドを対象として -日本建築学会計画系論文集第 594 号,pp.85-91,2005.8 14) 名古屋市教育委員会:名古屋市有松町並み保存事業 , 1984. 15) 名古屋市教育委員会:名古屋市有松町並み保存地区保存計画策定調査,1983.9 16) 吉田寿夫:本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の 統計の本 , 北大路書房 , 1998.11 17)駒澤勉他:新版パソコン数量化分析 , 朝倉書店 , 1998.7 18) 村瀬洋一 他:SPSS による多変量解析 , オーム社 , 2007.12 •

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