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が、一からの概念形成ではなく、近世における過去のものへの価値 観からの連続的変容としてあったことを示唆する。それは、一つに はものそれ自体ではなく形式に価値を見出す価値観、もう一つは名 物学、すなわちものの価値をその背景に没入せずにそれ自体に見出 す価値観である。 建造物自体の価値を認める視点と、旧跡保存、旧式保存の視点の 重合は、古社寺を境内として守るという、不動産的保存手法を生む こととなった。だが、物価の高騰により、明治 20 年代後半になる と、当初に計画された積み立ての目論見がほとんど実をなさなくな り、社寺に独立自営の道を探らせるという古社寺保存金制度の目論 見は破綻を来すことになった。 続いて登場した「美術保護」という主張及び方法は、理念的にも 方法的にも、古社寺保存金制度に代えうるものだった。明治 30 年 の古社寺保存法は、指定制度と修理という二本柱からなるもので、 保存金制度における網かけと重点保護の二つの方法を代替している。 けれども、予算の集中配分によって建造物そのものを単体として守 るその方法は、動産的方法との整合性を取るための措置であった。 その代償として、境内景観として社寺を保存するという不動産的手 法が失われていくこととなった。 「古社寺保存」という名称を与えられて開始されたこの政策は、 保存概念生成過程における一つの結節点とみなすことができる。こ こを経ることによって、近世における過去のものへの価値観が読み 替えられ、転換されたのだった。明治という時代に新たに勃興した 文脈、すなわち近代天皇制及び新たな国際関係を利用しながら、伝 統的な概念を読み替えていく過程こそが、古社寺保存金制度の史的 意義の核心であると考える。

AN INTERACTIVE 3D MODELING SYSTEM FROM POINT CLOUD OF ARCHITECTURAL PHYSICAL MODEL WHICH INCLUDES NON-CONVEX POLYGONS