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Prof.,Dept.of Architecture and Urban Design,Faculty of Human-Environment Studies,Kyushu Univ.,Dr.Eng. 川市の南部同様広大な干拓地が広がっている。有明海沿岸地域にお ける干拓の起源は古く,稲作の行なわれる 2000 年前にまで遡ると される 5) 。当初干潟の自然陸化に合わせた開墾であったものが, 堤防で浅海を囲い込み陸地を造成する干拓へ移行したと考えられて おり,社会状況の変化や技術的進展に合わせ,次第にその規模も大 規模なものへと変化を遂げている。特に近世以降の変化は顕著であ り,中世には小規模かつ局地的であった開発が,近世に入ると諸藩 の統治のもと,より計画的かつ大規模な干拓事業が展開される。そ 1. はじめに 本編は,有明海沿岸地域において,多様な展開をみせる干拓村落 を対象とし,空間構造を支えるシステムとその変容プロセスについ て分析を行なう一連の研究の続編である 1) 。本研究は,これまで 言及されることのなかった,形態の多様性の背後に存在する干拓村 落特有の形成原理を明らかにすることを意図している 2) 。 本編では,佐賀県小城市の南部に位置する芦刈地区において,近 世以降に成立した干拓地に注目する(図 1)。そして,連続的に形 成された干拓地と居住空間である集落の拡大プロセスについて分析 を行なう。芦刈地区では,佐賀藩による統治のもと,近世を通じて 干拓事業が進められている。その際,新たに生まれた干拓地に干拓 村落は形成されておらず,近世初期に成立した集落が拡大し,その 集落形態を変化させている。そこには村落の形成・変容のプロセス における,様々な社会状況や開発経緯・技術的制約等,多様な要因 の介在がみられる。 調査は,2007 年 10 月から 2009 年 3 月にかけて行なった 4) 。

THE DEVELOPMENT OF RECLAIMED WORKS ON ASHIKARI AREA IN OGI CITY AND THE TRANSFORMATION OF SPATIAL COMPOSITION OF THE BENZAI SETTLEMENT