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農村計画学会誌 Vol. 32, No. 3, 2013年12月 1 はじめに 福島第一原子力発電所の事故に起因する放射能汚染に より全村避難を強いられている福島県相馬郡飯舘村につ いては,例えば,糸長 ,浦部ら をはじめ,これま でも多くの報告がなされている。そこでは多くの有益な 提案がなされているが,状況の好転が見られているとは 言いがたい。避難生活も 2年半に及び,仮設住宅では設 備の経年劣化も言われるようになっている。 このような中で,村での生業であった農業を避難先で も再開した農業者が存在する。また,仮設住宅への避難 生活の中で,人生で大きな意味を持っていた農業をいわ ば『封印』している人たちもいる。 本稿は,平成 25 年 3 月から平成 25 年 10 月にかけて 実施した松川仮設第一住宅居住者と,村外で営農を再開 している農業者や JAそうま西部営農センターの担当者 への聞き取り調査の結果より,避難者の避難前の生活の あり方や生活の場との関係,農業の持つ意味,営農再開 の経緯などを明らかにすることにより,営農再開が避難 者の帰村にどのような意味を持つかを考えようとするも のである。

The Meaning of the Resumption of Farming to Return to the Hometown