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ドコサヘキサエン酸(DHA; 22:6 n3 )とアラキドン 酸(AA; 20:4 n6 )は,胎児期および授乳期の脳の発 達に重要な役割を果たしている 。特に DHAは,脳 神経のミエリン化に必要不可欠な不飽和脂肪酸(PUFA) である。DHAはα-リノレン酸(ALA; 18:3 n3 ) やエイコサペンタエン酸(EPA; 20:5 n3 )から,AA はリノール酸(LA; 18:2 n6 )から炭素鎖の延長と不 飽和化を受けて合成される。ALAと LAは必須脂肪酸 (EFA)であり,体内で合成されないため食事から摂取 しなければならない。 LAが植物油に多く含まれているのに比べて,ALAの 主な給源はシソ油,エゴマ油,アマニ油などに限られて いる 。シソ油はシソ[シソ科:Perilla frutecs(L.) Britton]からとれる種子油で ALAが50%と豊富に含ま れている。シソ油は,体内の抗酸化作用や LAの取りす ぎによるアレルギー症状を抑制するが,赤血球膜の EPAやドコサペンタエン酸(22:5 n3 )濃度の増強, 脳機能活性を促進する魚油代替効果についても注目され ている。 ラットにおいて,妊娠・授乳期に n3 系脂肪酸量の 低い食餌を与えると乳汁中の DHA含量が低下するこ とや,胎児期から EFA欠乏食で育てられたマウスの 脳のミエリンが未発達であることが報告されている。 一方,金沢らは母ラットに DHA添加飼料を与えること により,乳汁の DHA含量と仔ラット脳の DHA濃度が 増加することを報告している。乳児期の栄養は乳汁を 介して母親に依存しており,成長と発達に影響を及ぼす ことが推測される。 われわれは前報において,母親が摂取したシソ油の ALAが母体内で EPAと DHAに合成され母乳に移行し, 母親が摂取したコーン油とシソ油が 仔ラットの血漿と脳の脂肪酸組成に及ぼす影響

Effect of corn oil and perilla oil intake by rats during pregnancy and lactation on fatty acids composition of plasma and brain of pups