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情報通信技術の発達にともない製造現場においても高度 情報化が成し遂げられ,製造現場におけるすべての装置・ 機器がインターネットを介して相互に接続することが可能 となってきている.これらの高度情報化環境を積極的に利 活用するために,欧州ではドイツが中心となりインダスト リー 4.0,米国では GE が中心となってインダストリアル インターネットのコンセプトが提出され注目を集めてい る.また,日本でもインダストリアル・バリューチェー ン・イニシアティブ(IVI)が活発に活動している.一 方,情報技術の立場からはサイバーフィジカルシステム が提唱され,これまで乖離しがちであった情報の世界と物 理的な現実世界を有機的に結合させ,情報技術の活用を推 し進めることが模索されている. 一方,サービス科学・工学の萌芽により,製造業はも はや製品だけを製造し提供するのではなく,関連するサー ビスも同時に提供する製品・サービスシステム,さらに はサービスの観点からすべてを捉え直すサービスドミナン トロジックの立場を取ることが不可欠となってきてい る.企業利益の追求のために,むしろ顧客起点の製造をい かに実現するかが重要となっている. 生産・経営知識学専門委員会では,長年にわたり生産ス ケジューリング,工場管理,設計・生産に関わる知識やノ ウハウなどを主対象として活動し,産学共同研究の実を挙 げてきた.2005 年度よりこのような新しい変化への対応 について集中的に討議し,より優れた方法論を生み出すこ とを検討することとし,「高度情報化(ユビキタス)時代 における製造・経営知識の創出」というテーマの下に研究 活動を展開してきている.これまで高度情報化時代におけ るシミュレーション技術として超分散シミュレーション手 法を提唱し,検討を進めてきた.従来の製造フロア単位で のシミュレーションではなく,装置単位での単純なシミュ レーションモジュールの相互結合によりシミュレーション を実現する手法であり,高度情報化時代における生産シス テムの基盤技術となり得る. さらに 2015 年度以降の専門委員会においては,製品製 造現場を対象とするだけでなく,サービス製造現場および 市場の変化を融合させることを目的としている.すなわ ち,市場のサービス要求の明確な把握と,製品・サービス 双方の生産システムにおける基盤技術を礎とした企業の製 品・サービス提供可能性を把握した上で,製品・サービス を設計・生産・提供するのがこれからの企業活動に求めら れる姿であると考えられる.製品・サービス生産システム と市場を橋渡しするのが製品・サービスのデザインであ り,企業の意思決定の中心となる. 本稿では,本委員会でこれまで取り組んできている生産 システムのユビキタス環境をフルに活用した超分散シミュ レーション技術について紹介する.その後,製品生産シス テムだけでなく,サービス生産システム,そして市場との 関係の中で位置付けられる製品・サービス設計システムに ついて紹介し,最後に今後の展望を述べる.

Manufacturing & Service Systems Design in Advanced Information Network Environment