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近年,立体モデルを自在に作製できる 3Dプリンティン グ技術が注目を集めている.なかでも,フェムト秒レーザ ーを用いる 2光子マイクロ光造形法は,光硬化性樹脂を用 いて 100 nm をしのぐ加工線幅で任意の 3 次元マイクロ樹 脂構造体を作製できる.この技術には,従来のリソグ ラフィーやエッチングでは作製が困難な複雑かつハイアス ペクト比の構造体を作製できるという特長がある.また, この加工装置は,フェムト秒レーザーと光学顕微鏡で構築 できるため,従来の微細加工技術に比べて比較的簡易かつ 廉価な設備で,複雑な 3 次元構造体を作製できる.よっ て,フォトニクス,マイクロマシン,ラボオンチップや医 療など幅広い分野に応用されている. しかしながら,2光子マイクロ光造形法によって作製さ れる造形物は,アクリル系やエポキシ系の光硬化性樹脂で 形成されているため,耐久性,耐薬品性,機械的強度,導 電性などが十分でないため,用途が制限されるという課題 があった.そこで,最近では,使用する光硬化性樹脂にナ ノ微粒子やナノチューブなどを混合したナノコンポジット 樹脂が開発されている.これらのナノコンポジット材 料を用いることで,磁場に応答する磁気駆動マイクロマシ ンや,機械的強度と導電性をもったマイクロ・ナノ部品を 作製できる. 一方,われわれは,光硬化性樹脂で 3次元マイクロ構造 体を作製した後に,無電解めっきや熱処理などの後処理を 行って,金属化したマイクロ部品やアモルファスカーボン 製マイクロ部品を作製する研究を行っている.この ように後処理技術を用いて造形物を機能化する方法は,ナ ノコンポジットを用いる方法と異なり,樹脂材料に混合物 を混入しないため,2光子マイクロ光造形法がもつ高い加 工分解能を維持したまま,高精度な 3次元マイクロ機能構 造体を作製できるという利点がある.また,ナノコンポジ ットでは,光硬化性樹脂に混合できるナノ微粒子などの濃 度に限界があるが,めっきなどの後処理工程を利用する方 法では,皮膜の種類や厚みなど選択の自由度が高いため, さまざまな機能性部品を創製できる. 本稿では,まず,われわれが開発してきた光駆動マイク ロマシンについて述べ,無電解めっきと組み合せること で,光駆動マイクロマシンを金属化する手法について述べ る.この金属化マイクロマシンは,従来の樹脂製マイクロ マシンに比べて駆動効率を 2桁以上向上させることができ る.また,最後に,光駆動と同様に遠隔駆動が可能な磁気 駆動マイクロマシンについても紹介する.

Production of Metalized Micromachines by the Combination of Femtosecond-laser Three-dimensional Microfabrication and Electroless Plating